【報告】中南米・カリブ地域ODAローンセミナーを実施しました 

2023.09.09

JICA中南米部は、去る7月3日から14日までの12日間、東京にて「中南米・カリブ地域ODAローンセミナー」を実施しました。本セミナーには、円借款案件を実施中である中南米・カリブ地域の11か国から借入人や実施機関の研修員が23名、8か国のJICA事務所の現地職員8名が来日し、合計31名が参加しました。
本セミナーはJICAが実施する円借款の制度や特徴を理解した上で、各国で取り組む実務への効果的活用を促進することを目的に開催しました。JICA職員自らが円借款制度や手続き等に係る講義を行ない、講義中は参加者自身が担当する円借款案件に関連付けながら、活発な質疑応答がなされました。また実施した講義の内容に基づいて、現在各国で実施中の円借款案件をより効果的に進めるにあたっての課題等を抽出し、課題解決策及び案件の開発効果を最大限生み出す工夫について、JICA中南米部職員を交えて議論・発表したほか、新規案件形成のアイデアを発表し合いました。

さらに本セミナー実施中には、日本の技術等を学ぶために福島県と栃木県へ2日間の視察を実施し、福島県ではデジタルトランスフォーメーション技術(DX技術)を学ぶことをテーマに一般社団法人AiCTコンソーシアム(会津若松市)を訪問し、会津若松市におけるスマートシティの取組や防災分野におけるDX技術の活用等について学びました。続けて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援で水素エネルギーの実証事業を行っている福島水素エネルギー研究フィールド(浪江町)を訪問し、水素製造の実証現場の見学等を行ないました。翌日には、佐野インランドポート(栃木県佐野市)を訪問し、輸送効率化の推進に係る説明を受け、その後、施設内にある機械や設備等の見学をしました。

研修員からは、「貴重な研修の機会を得ることが出来た」、「中南米の他国も同様の開発課題を持っていることが確認でき、円借款を活用して同様の課題解決に資するアイデアが共有出来た」といった声がありました。コロナ禍で来日型研修が4年ぶりとなった今回は、円借款を通じて同様の課題に取り組んでいる各国参加者が集い、普段顔を合わせる機会のない各国参加者同士が意見交換を行う場とすることができました。また、JICA中南米部職員が直接意見や経験を共有し、実施中の円借款業務にかかる課題への対応・解決策の検討を行う貴重な機会となり、課題解決にあたっての共通認識が形成されると共に、JICAと参加者との間で顔の見える関係が構築され今後の業務の円滑な実施に繋がる結果になりました。各国研修員が本セミナーによって得た知見等を活かし、今後各国での円借款案件の実施に係る円滑化及び迅速化へ資することが期待されます。

研修実施中の写真

画像

研修員による質疑応答の様子

画像

研修員による案件アイデア発表の様子

視察時の写真

画像

AiCTコンソーシアムへ訪問

画像

福島水素エネルギー研究フィールドへの見学

画像

佐野インランドポートへの見学

全体の集合写真(閉講式)

画像

本セミナー閉講式の様子

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ