【実施報告】「日本の産業発展と中小企業経営」をテーマに、第 4 回 JICA チェア(短期集中講座)開催《コロンビア》
2023.09.08
2023.09.08
9月8日、第 4 回 JICA チェア(短期集中講座)がロス・アンデス日本センター講堂で開催されました。「日本の産業発展と中小企業経営」テーマに、国際大学国際経営学研究科准教授の舟橋 學さん( JICA 国際協力専門員:民間セクター開発)を講師として、ロス・アンデス大学の学生、教員、国内大学関係者、中小企業関連の政府機関等の関係者約 80 名が受講しました。
舟橋国際協力専門員は、日本における「産業発展の変遷」「日本的経営の本質」「中小零細企業経営」について、具体的な製品、事例を織り交ぜながら説明していました。
「産業発展の変遷」では日本の各産業分野の国際競争力の変化、1980 年代以降、自動車産業やエレクトロニクス産業を例に、設備投資と現場の改善による生産性向上のみならず、高付加価値化、高機能化へ対応してきた歴史があると解説、「日本的経営の本質」では日本企業におけるジョブローテーション等を通じた製造現場、研究開発、マーケティング等の部署間での円滑な情報共有、知識の蓄積による漸進的なイノベーションが特徴であると話しました。
続く「中小零細企業経営」という点においては、アメリカ式の経営手法を日本式に適合し発展してきた歴史と共に、政府支援や、既存のコア技術を活かした新規分野への参入、発展の事例を紹介しつつ、コロンビアにおいても自国の環境に合わせた経営手法の開発の必要性、地場技術を新規分野へ発展させることの重要性を指摘しました。
講演後の質疑では、日本の経済発展に果たした教育や、政府の役割、 地方部にどのように政府支援を届けるか、中小企業の新規分野参入や設備投資のハードルをどう超えるか等、参加者と活発な意見交換を交わされました。
全企業約 180 万の 99%以上が中小零細企業と言われる コロンビアでは、その生産性向上、競争力強化が大きな課題であり、本講義は実務的な議論を深める機会となりました。
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