【インタビュー記事】「異文化を知ることで開花した内なるチカラ」~両国の友好関係を強めるための架け橋になりたい~(日墨研修:起業とイノベーション・エコシステム形成コース)

2023.10.31

9年間働いてきた仕事を辞め、変化とキャリアアップを求めて日墨研修に参加したMauricio Hernándezさん。両国の友好関係を強めるための架け橋となりたいと話してくれました。
大好きな日本語は「にぎやか」。日本の様々な街を旅した中で大好きな街は、もちろん賑やかな東京のお台場!とおちゃめな一面を魅せつつ、「この研修は私に自信を与えてくれ、そしてもっと学びたいという気持ちを溢れてさせています」と熱く語ってくれました。

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日墨研修を知ったきっかけは?

公的セクターで9年間働きキャリアは積み重ねてきたのですが、変化が必要だと感じていました。そんな時、以前この研修に参加をしていた友人の話をふと思い出したのです。キャリアアップや異文化交流の経験が次のステージにいくチャンスになると思い、参加を決意しました。
私の研修目的は「グローバルなアプローチで経済競争力を促進させ、企業の創造と発展するツールを習得すること」です。具体的には文献調査、シンポジウムの発表にむけたワークなど学術的な学びと、野外調査・企業との共同プロジェクト実践と、バランスが良いプログラムです。
日本の企業との共同プロジェクトに参加して日本の歴史を知ることができ、博物館や展示会に積極的に足を運ぶことで机上の学びではできない多くことを体感しました。また、ビジネスモデルやイノベーションを通じて新しい市場を開拓している企業やグローバルな商業戦略を生み出している地元企業を訪問し、現場での学びは大きな収穫でした。

異文化での生活から得たモノ

一番難しかったのはコミュニケーションです。来日の前後に日本語の基礎は学びましたが、日本人はシャイなのでスーパーマーケット等の日常生活の中でさえ、日本語でコミュニケーションを取ることは難しく、日本人の友達を作るのにも時間がかかりました。オープンな性格の方の発見やサッカー仲間が出来、今ではプライベートでも日本人と関われることができるのでとてもうれしいです。友達に会うために、また日本に戻ってきたいと強く思っているほどです!
来日した頃は文化の違いに適応するためにとても慎重に、我慢強く行動していました。そういった慎重さは、海外生活だからこそ身に着けられる力だと思うので、今思えばとても素晴らしい経験です。

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日本で活躍する元日墨研修生との出会いを通して

日本でソフトウェアに関連する仕事をしている元日墨研修員のオマールさんと出会い、一緒に富士山に登りました。彼は日本人と結婚していて、彼の家族にも会いました。結婚して日本で暮らすこと、日本を拠点に仕事をすること、メキシコの家族とのつながり方などの話を聞くことが出来ました。彼との出会いは、研修後の方向性に大きな参考になりました。

メキシコと日本を比較から見えてきたこと

日本とメキシコは相互扶助の関係になれると思います。メキシコは天然資源が豊富ですが、産業の強化が必要です。一方で日本は、天然資源は限られているものの産業が活発です。本邦企業がメキシコに進出することで、相互補完できると思います。また、職場の人間関係や働き方という点においても違いを感じます。日本人は責任感を持って仕事をしていますが、働き過ぎだと感じます。他方、メキシコ人はプライベートの時間も大切にして働いています。お互いの違いや利点を学び、バランスの良い働き方を見つけることもできると思います。私はメキシコに足りないところを日本から学んで、それをメキシコに持ち帰りたいと思っています。

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5年後はビジネスを興し、日本とメキシコをつなぐ

帰国後も日墨の友好関係に携わりたいと思っているので、今は、日本との関わりがある企業を中心に自分の専門性が生かせる仕事を探しています。
企業で働きながらビジネスの仕組みを理解して、5年後には自分でビジネスを興そうと思っています。

異文化を知ることで開花した内なるチカラ

異文化での世界での時間は、これまでの快適で安定した空間から抜け出し、気づいていなかった能力を開花させてくれました。研修に参加することで専門を持つことができ、自分のキャリアアップとなり自信を与えてくれました。イノベーション分野は、両国の絆を強化するための架け橋となりえると思うので、これからも学びを続けていきたいです。

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聞き手:
杉浦 里佳
JICA 中南米部中米・カリブ課インターン
活動期間:2023 年 8 月~2023 年 10 月

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