中米最高級エルサルバドルカカオが初の日本市場へ~GODIVA・Chocolate Jungleで全国展開~
2024.05.20
2023年8月にエルサルバドルのアシエンダ・サン・ホセ・レアル・デ・ラ・カレラ(Hacienda San José Real de la Carrera)から5トンのカカオがアカフトラ(Acajutla)港を出港し、日本に輸出されました。そのエルサルバドル産カカオ豆のみで作られたチョコレートが2024年1月から日本全国のGODIVA店舗で全国販売されました。
GODIVA JAPANオンラインサイトでも紹介されており、オンラインでも購入可能です。
https://www.godiva.co.jp/shop/g/g206803/
他では、良い素材、顔の見える生産者のカカオを使用したサスティナブルなBean to Barに取り組んでいるチョコレートオンラインサイトの”チョコレートジャングル”にて販売され、すぐにSold Out!となるほど、とても人気商品となりました。
Chocolate jungle / エルサルバドル ダークチョコレートオンラインサイト
https://suit-chocolate.com/jan-016/
エルサルバドルのカカオが国際的にみても食品の輸入基準の厳しい日本への輸出が達成できた経緯は、「エルサルバドル工芸作物バリューチェーン振興プロジェクト(以下、CREVAS:Creando Valor Agregado para El Salvador)」において、2023年1月にプロジェクトカウンターパート機関である国立エルサルバドル大学農学部のメンバーと共にアシエンダ・サン・ホセ・レアル・デ・ラ・カレラのカカオ農園を訪問したことがきっかけでした。同農園はすでにフランス、ベルギー、米国などにカカオ豆を輸出しており、中米の中でも2番目に広大な生物多様性に恵まれた土地で、徹底した自然栽培管理、フレーバーカカオの重要なカギとなる発酵工程も熟練の技術者によって行われていました。
そのカカオを試食したCREVASプロジェクトのチーフアドバイザーである高橋貞雄氏(JICA技術協力専門家)によって、これはぜひ日本へサンプルを送ってみよう!ということになり日本のカカオ豆輸入業者とチョコレート加工製造業者にカカオサンプルおよび仕様書を送付しました。同企業の専門的なカカオ品質評価にて非常に高い評価を得ることができ、日本企業、カカオ生産者、高橋氏らでオンライン会議の開催、エルサルバドルでのカカオ栽培・発酵・乾燥工程のイメージメディアの共有、エルサルバドルに纏わるカカオストーリーを伝えた結果、2023年6月に同社からGODIVA社のシングルオリジンチョコレートを販売開始するにあたり、その第1弾であるエルサルバドル産チョコレート用のカカオ5トンの注文依頼を受けることになりました。それから同農園は輸出に向けた書類手続き、カカオ収穫・発酵・乾燥工程を経て、2023年8月31日にエルサルバドルから一次加工先であるベトナムに向けて輸出されました。
このエルサルバドルカカオ豆の初めての日本市場への輸出に関するニュースはエルサルバドルの新聞等メディアでも大きく取り上げられ、新聞社、Diario El Salvadorで日本へ輸出した経緯について高橋氏がインタビューも受け、エルサルバドル国内のカカオバリューチェーンに関わる生産者、関連団体・起業などからCREVASプロジェクトへの問合せも増えてきています。
ディエゴ・アレハンドロ・ダルトン駐日エルサルバドル大使からは非常に厳格な日本のマーケットにおいてエルサルバドル産カカオのチョコレートが展開できたことをとても喜んでおり、これからもどんどん広報していきたいと、一時帰国中の2024年4月22日にJICAエルサルバドル事務所を訪問し、カカオ生産者、CREVASプロジェクトメンバー、名井JICA事務所長らへ感謝の意が伝えられました。
エルサルバドルのカカオ豆の評価価格は非常に高く、中米カリブ諸国の中でも第1位の評価価格を獲得しています。一方、エルサルバドルのカカオ産業の現状は国内で消費されるカカオの約70%が隣国ニカラグア、ホンジュラスから輸入されており、輸入量が輸出量を約6倍上回る輸入超過の状態となっています。エルサルバドルは中米一の小国で、多くの収量を得ることは出来ません。しかしながら少量であるからこそ、カカオ豆に付加価値を付ける技術を丁寧に行うことが出来ます。それはすなわち端正な発酵技術です。
CREVASプロジェクトにおけるカカオプラットフォームの活動目的は、世界中の様々な市場の消費者の嗜好に合わせた発酵方法を確立し、付加価値の高いカカオのバリューチェーンを強化することです。2024年5月にはアシエンダ・サン・ホセ・レアル・デ・ラ・カレラの協力の下、国内カカオ中規模生産者らへの発酵技術研修を実施する計画となっており、これはエルサルバドルのカカオ産業全体として高品質カカオ生産のための能力強化を推進することができます。
今後は付加価値の高いエルサルバドル産カカオ豆を広めるため、良い品質を提供できる生産者の育成、カカオ産業に携わる若者起業家育成、エルサルバドルカカオブランディングの強化等様々な取り組みをカカオ生産者、関連企業、支援団体と連携し、エルサルバドル産の優れた品質のカカオ豆を日本市場だけでなく、アジア市場も見据えた世界市場への輸出拡大のサポートを通じて、エルサルバドルカカオ産業のスケールアップに貢献していきたいと考えています。
最後に初の日本市場へのカカオ輸出を達成できたアシエンダ・サン・ホセ・レアル・デ・ラ・カレラの皆様に賛辞を贈ると共にそれらに関わった全ての皆様、またエルサルバドル産カカオのチョコレートを購入して頂いたお客様にも感謝の意を捧げます。
メールアドレス: crevaselsalvador@gmail.com
Facebook: https://www.facebook.com/p/Crevas-100087497007170/
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