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【イベントレポート】2024年度「中南米日系社会との連携調査団」日本の水産・食品企業11 社がブラジル・メキシコでのビジネス連携調査報告

2024.09.05

日本の水産物への風評被害で、日本産品の輸出に深刻な影響が出ています。
JICAでは日本と日系社会との経済的連携を強化するとともに、安心・安全な日本産食品の普及拡大を促進すべく、7月に日本の水産・食品企業11社の代表を中南米日系社会との連携調査団 としてブラジルとメキシコに派遣しました。

中南米は巨大な消費市場や中間所得層も多く、日本企業の潜在的な進出先としても有望な地域です。300万人以上の日系人が居住し、中には現地でビジネスを興し、各国・地域の経済を牽引する方も多く存在します。JICAでは、これまでのネットワークを活かし、日本と日系社会との橋渡しをすることで、日本の水産・食品企業の事業展開を通じて、現地の経済発展だけでなく、日本国内の経済や地域活性化にも貢献すべく、今般の派遣を実施しました。

査団は2024年7月8日(月)~7月21日(日)の日程で派遣され、ブラジル・メキシコの市場調査や企業等との面談、3日間で18万人が来訪した世界最大規模の祭典のひとつであるブラジルの「サンパウロ日本祭り」でのブース出展等を通じて、自社産品の輸出に向けた情報収集や商談等を行いました。

現地企業との意見交換(ブラジル)

サンパウロ日本祭り「ふるさといいもの展」(ブラジル)

現地企業との意見交換(メキシコ)

現地水産市場(メキシコ)

8月23日には、JICA竹橋にて帰国報告会を実施し、派遣企業11社による調査報告を行いました。JICAからは中南米部、民間連携事業部によるプレゼンテーションに加えて、元JICA ブラジル・メキシコ事務所長もコメンテーターとして同席し、約60名の参加者(オンライン・対面)の皆さんにご参加いただきました。

ブラジル・メキシコの市場の魅力や現地の日本企業への期待、現地で感じたビジネスの可能性等を報告・発信していただきました。実際に既に現地企業、協力者と今後に向けてやりとりを進めている具体的な報告をされる企業もありました。

JICAでは、今回の調査団を通して以下4点の気づきが得られたと考えています。

  • 日本産の商品に対する信頼度が高い
  • 日本産の商品の価格は高いが、それを上回る需要がある
  • 日系人コミュニティーの存在感が大きい(サンパウロで世界最大規模の日本祭りを開催している事からことからわかるように、日本食・日本文化の普及が進んでいる)
  • 日本食レストラン数は増加しており、特にブラジルでは現地の好みに合わせた日本食レストラン・商品のローカライズ化が進んでいる

今後の展開として、現地での販売価格と関税の調査、販路拡大の商品提案の実施や商品の輸出、ブラジルへの輸出に必要な施設登録、などを計画している参加企業もおられ、参加企業11社のこれからの動向が注目されます。

そのほか、今後は現地の県人会との交流と情報交を行い、県人会の活動の支援や協力を検討している企業もおられ、現地日系社会との連携も期待できます。

派遣企業各社より報告

元JICA ブラジル・メキシコ事務所長からのコメント

報告会会場の様子

関連資料:

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