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インタビュー
鈴木美和子さん
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1. 氏名:鈴木美和子
配属機関名: コスタリカ工科大学工業デザイン科
任地:カルタゴ
職種/指導科目:美術(デザイン)
派遣期間:1987年5月〜1989年3月 -
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2. コスタリカの印象(印象に残っている人やその理由、一押しの観光地等)
配属先である工業デザイン科は、イタリア政府の援助で創設されました。創設当時はイタリアの専門家が入っており、彼らが日本の協力隊を要請しました。私が活動する頃には、教授陣は全てコスタリカ人になっていましたが、デザイン界全体としてもイタリア志向は顕著で、先進的でした。ただ産業構造上、工業デザイナーが働く場所はほとんどなく、アカデミックなレベルの高さが産業に生かされていない状況でした。教授陣で特に親しかったのはファン・コルドバとルイス・フェルナンド・キロスで一緒に仕事をできてとても楽しかったです。ファン・コルドバは残念ながら2013年に他界しており、彼とコスタリカにデザインセンターを作るという夢は実現できませんでした。日本人にも興味を持ってくれていて、政治経済、科学技術についていつも話が盛り上がりました。「コスタリカの私の兄」とよんでいるルイス・フェルナンドは現在もずっと親友で、Facebookなどで交流しています。多才であり、アーティスト、作家・随筆家、美術・デザインの評論家・キュレーターとしても活躍しています。 -
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3. 活動内容/業務内容
特別演習講座やテキスト作成なども行なっていますが、私の活動の中で最も力を入れたのは、「テキスタイルデザインのコンクールプロジェクト」です。全て順調に実施できたわけではありません。デザインを教えている先生たちのレベルは高く、私が関与する必要もなかったため、デザイン活動自体を振興し、デザインの意義を啓蒙し、デザインを産業に結びつけるためのプロジェクトを考えていました。このプロジェクトでは、当時コスタリカに進出していた日本の繊維企業TICATEXにも協力をして頂きました。協力隊事務所、民間企業、コスタリカ工科大学の連携プロジェクトとして、ファン・コルドバと一緒に申請し、実施されたものです。当時、TICATEXでは、プリント生地を生産し、国内外販売していましたが、その図柄は日本で生産された図柄をそのまま流用しており、オリジナルデザインではありませんでした。そこでプリント生地のデザイン画を募集するコンクールを企画することによってデザインという職能を世間に知らせるようにしたのです。応募の中の上位デザインを実際に売りに出し、注文の実績と専門家による評価をもとに賞を決定しています。このプロジェクトには、学科内のアンケート調査、資料調査、プリントデザインの演習講座(一般向け・工場見学付き)、受賞者の作品・生地の展示会なども含まれています。 -
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4. コスタリカでの経験がご自身に与えている影響
コスタリカでの経験は、私に国際協力のあり方やデザイン活動のあり方を考えさせ、最終的には、私の現在の研究者としての活動に繋がっています。(コスタリカやラテンアメリカを対象とした研究を行なっています。)コスタリカで得たものは大変大きく、その後の仕事や友人関係にも大きな影響を与えました。協力隊員として活動した時にはかなりな年齢になっていましたが、振り返ると、コスタリカの隊員時代が私の一番の青春時代だったと思います。 -
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5. 現在の隊員を始めコスタリカ協力に携わる皆さんへのメッセージ
私もそうでしたが、そんなに思い通りに物事が進むことはないと思います。でも、現地で活動するだけで、意味はあります。何かに興味を持って活動することだけで、意味があると思います。 -
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6. コスタリカの皆様に送るメッセージ
(6.は可能でしたらスペイン語で記述いただければ幸いです。)
Abrazos desde Japón,el Lejano Oriente
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