- トップページ
- 海外での取り組み
- コスタリカ
- 代表的なプロジェクト
- 信頼で世界をつなぐ~メッセージ集~
- 信頼で世界をつなぐ~メッセージ集~
インタビュー
阪本竜也さん
-
1
.
氏名:阪本竜也 (マラウイ2021-3隊次隊、環境教育、大阪府出身)
配属機関名: 宮崎大学博士課程2年→ナショナル大学ECMAR(出張先)
任地:プンタモラレス
職種/指導科目:宮崎大学大学院農学工学総合研究科、農学部附属次世代農学教育研究センター延岡フィールド 生態学
派遣期間:2026. 1~2026.2) -
2
.
自己紹介
宮崎大学農学研究科(修士課程)在籍時には、干潟に生息する魚類の生態学を学び、フィールドでの体験学習や著作物制作に携わりました。
これらの経験を活かしつつ、海外の文化を体験し、外から日本という国を考えたいこと、異なる気候帯の生物をこの目で確かめたいことから、JICA海外協力隊への応募を決意しました。
しかし、マラウイ共和国への派遣決定後、コロナ禍により約二年、日本で待機することになりました。待機中は、一年目は大阪府の児童一時保護所で総務事務補助の仕事をいただき(大阪府非常勤職員)、次の年にはJICA特別派遣前訓練生(現グローカルプログラム)として、熊本県八代市坂本町にて豪雨災害被害に対する復興支援活動を行いました。
前者は事務の補助でパソコンを使用する仕事が主だったものの、未経験だった福祉の分野に触れることができました。後者は復興支援活動として、鮎やな食堂、道の駅、農業法人の支援を行いました。
その内容は、被災物の撤去、ホームページの作成支援、クラウドファンディング、農作業など多岐にわたりましたが、自分ができることの多さに驚くとともに、様々な方々に助けられ、人の縁の大切さを実感することができました。活動を終え、JICAの語学訓練を経てマラウイの首都リロングウェに派遣されました。
マラウイの水環境においては、水源林における違法伐採、首都における違法採水やパイプの老朽化などに伴う水漏れによる高い無収水率(2024年時点で約37%)が問題となっています(それぞれ、リロングウェ市無収水対策プロジェクト、ザラニヤマ森林保護区の持続的な保全管理プロジェクトを、異なるJICA専門家の方々が担当されておりました)。
要請内容は、水道公社の広報課に所属し、市内のセカンダリースクール(おおよそ日本の小・中学校にあたります)の児童を対象にした、水の大切さを学んでもらうための授業型の環境教育や、水公社が所有するダム近くの水源林におけるエコツーリズムの実施でしたが、コロナ禍の待機中に前任隊員の同僚がすべて異動しており交渉が困難だったこともあり、後者については実施がかないませんでした。
活動を行う中で、上司・同僚との間に考えや熱意の差が感じられ、カウンターパートが所属する環境課への異動を決意しました。正式に異動した後、新たに配属先近辺の植林地におけるごみ拾いを行いました。
その他様々な困難に見舞われましたが、派遣待機中の経験のおかげで、協力隊活動を全うすることができたように思います。また、水源林の問題に携わるJICA専門家のお話を伺い、水源林近くを訪ねる機会があり、森林伐採が森林近辺の住民の生活を支えていること、かつその木材資源が市内で販売されるまでに利益の中抜きが大きいことを実際に知ることができました。
このことにより、自然環境の生態学的な重要性を研究するだけではなく、それを踏まえた保全の意義を、市民に伝え、ステークホルダーの意思決定に影響を及ぼすことができる研究者になりたいと思い、再び宮崎大学に戻り、博士号を取得する決意をいたしました。
博士課程1年目は、生活費の獲得に苦労しながらも、国内外での学会発表や、門川町との連携事業として、エコツーリズム事業実施に関する調査、体験学習を行いつつ、様々な方々に助けられ、JICA奨学金を拝受することが決定し、ようやく精神的・経済的地盤が整いました。
JICA奨学金の申請内容として、干潟ガイドブックの制作およびそれを使用した環境教育の実施、そしてそのため、コスタリカにおける環境教育の技術を学ぶ代わりに、こちらの魚類採集および標本作成・写真撮影技術を提供する(詳細は後述)ことを記載し申請いたしました。
宮崎大学での指導教員である村瀬敦宣准教授はコスタリカOVであり、派遣当時に関わっていたコスタリカ大の研究者の方へ自分をつないでいただいたことで、コスタリカへの渡航が実現しました。JICAコスタリカ事務所の方々をはじめとした方々にアドバイスを受け、現在コスタリカで生活ができております。
村瀬先生は、コスタリカ滞在中に標本作成・写真撮影関連の器具をコスタリカ大に提供されており、それらが今回の活動の助けになっています。文化や背景を全く異にする地で、自分の能力をどこまで発揮できるか、試されています。 -
3
.
コスタリカの印象(印象に残っている人やその理由、一押しの観光地等)
現在お世話になっている魚類研究室のアルトゥーロ博士は、非常に温和な方で、とても親身になってくださっております。調査はもちろんのこと、食事や観光地に連れていってくださり、楽しい日々を過ごさせていただいております。また、近隣諸国に比べて国民性は穏やか、治安は悪くないように思われます。ちなみにですが、JICA隊員として派遣されていたマラウイ共和国は、独立以来戦争を経験していないことから「The warm heart of Africa」と呼ばれ、実際に国民性もあたたかいです。この点、コスタリカとの共通性を感じながら、首都内で日本のアニメショップや日本食レストランを見かけるときや、日本や日本人が好きだと言われるときに、親日な一面を感じ、非常に嬉しくなります。 -
4
.
活動内容/業務内容
コスタリカは軍隊をもたない国としてだけでなく、自然環境保全と持続可能な観光の両立を実現している国であることが知られています。コスタリカにおける環境教育や体験学習の技術と、自分の魚類採集および標本作成・写真撮影技術の交流を予定しています。後者に関連して、コスタリカのプンタレナス県にあるコスタリカ国立大学の研究施設(ECMAR)を拠点にした計二回の魚類調査を実施予定であり、現在一回目を終えたところです。すでにこれまでニコヤ湾で記録のなかった魚類が採集されており、そちらについては論文化する予定です。また、プンタモラレス近辺の浅瀬(潮間帯)でみられる魚類のポスターを作成予定であり、そのデータをアルトゥーロ博士に提供いたします。コスタリカ大学の学生が授業の一環でECMARへ訪れることがあり、そのような機会や発表の場などに役立てていただこうと考えております。 -
5
.
コスタリカでの経験がご自身に与えている影響
コスタリカの方々との食事や学生とのフットサルを通じて、今のところコスタリカの方々は自然体だと感じております。また、首都内の小さな川であってもコンクリート護岸がなく、コスタリカ大学敷地内でナマケモノを観察できた、などのことから、自然を残すことと、人々の幸福度に関連があるのでは、などつらつらと考えておりました。もう少しスペイン語を学び、現地の方々と交流し、このことに迫りたいと思っています。 -
6
.
現在の隊員を始めコスタリカ協力に携わる皆さんへのメッセージ
アフリカの国と比べてもどうしようもありませんが、コスタリカも現状維持を好み、交渉が難しいように勝手ながら感じます。しかしながら、どこかで誰かが活動を見てくれていることは確かです。自分自身、配属先での最終報告後、広報課・環境課それぞれから「謙虚」「セルフスターター」など、嬉しい言葉をいただきました。もちろんJICAスタッフが同席していたからかもしれませんが(笑)、お世辞でも喜んだのを覚えています。また、無収水問題を解決するために派遣されていたJICA専門家の方々のご活動を見学・支援させていただく中で、市内の住民から「私はJICAの隊員から教育を受けたんだよ!ありがとう!」といった言葉を何回かいただいたことがあります。自分は教育隊員の方ほどのことはできませんでしたが、どんな小さなことであったとしても、誰かには届き影響を与えているかもしれないと感じました。この草の根の活動こそ、JICA隊員にしかできないことではないでしょうか。地球の裏側で奮闘される皆様に敬意を表すとともに、心から応援しております。 -
7
.
コスタリカの皆様に送るメッセージ
Hello, I am Ryuya Sakamoto, a Japanese Ph.D. student studying fish biology. I stay in Costa Rica, for the interaction between techniques of my taking photograph of fishes and environmental educations of Costa Rican people. I already enjoyed Gallo Pinto, Chifrijo, Imperial, and Pilsen. I love them. Every moment when I go to the nature in Costa Rica, beautiful and healthy nature and organisms surprise me. And people in Costa Rica is very kind. They talk with me even though my Spanish is not good and help me a lot when I am in small troubles. Also, your passion to Japanese cultures makes me happy. Thank you for loving Japan. I also love Costa Rica. If possible, kindly teach me salsa someday.
1.熊本県八代市での活動の様子:つるばみなの花村での田植えの様子
2. マラウイでの活動の様子:左、学校での環境教育
中央、植林地でのごみ拾い
右、JICA専門家の方のお手伝い
3. 宮崎大学の大学院生としての活動:宮崎県延岡市土々呂小学校における干潟や干潟の魚類に関する出張授業
4. コスタリカでの活動の様子:左、魚類採集
中央、魚類標本作成
右、魚類標本写真撮影