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環境に配慮した有機栽培の実践(エクアドル、コスタ地方)

2025月12月24日

2023年度3次隊 前野 恒雄
所属:マンタ市役所
職種:野菜栽培

背景

私の任地のマンタ市は、赤道近くの太平洋に面した海岸沿いにあります。同市は2016年4月に発生した大地震の被害が大きかった地域で、コロナ禍前までは、観光業と漁業が同市の経済を支える主な収入源となっていましたが、コロナ禍で観光業が打撃を受けたため、市は格差是正のため、コミユニティー菜園、学校菜園、家庭菜園などを普及する新たなプロジェクトを立ち上げました。私の配属先であるマンタ市役所の生産開発課は、種、苗、有機肥料を無料で配布し、菜園の立ち上げから、栽培の技術指導を行っています。それに加え、環境問題にも取り組み、有機性廃棄物を利用した有機肥料使用によるごみの削減を目指していますが、有機栽培に関する栽培技術が不足しているため、その課題を克服するため、同僚たちと一緒に2年間、課題に取り組む事になりました。

活動先で実習終了時に撮影した、農学部生との記念写真

活動内容

活動内容の中心は、野菜栽培の実践です。そして、化学肥料や農薬を使用しないという、食の安全や環境に配慮した栽培を行っています。その他、地元の農学部生に対しての実習、学校菜園やコミユニティー菜園での栽培指導、市の関連施設への食材供給、直売と多岐に渡っています。そして、毎日欠かさずやらないといけない事があって、大部分は、水遣り、虫取り、草取りです。作業は単純ですが、とても大切な事です。これを怠ると、収穫に辿り着けないので、ほとんど休みなしの活動になりました。

活動を通して学んだこと

活動を通して学んだことを、詳しく述べたいと思います。野菜を栽培するには、種を蒔いて、苗を作る作業が必要になります。なので、その土を用意しないといけません。最初、安価で入手できる腐葉土をふるいにかけ、細かい土を取り出し、それを種まき用土や培養土として利用しました。残った、大きな腐葉土は菜園にすきこみ、土壌改良に利用しました。しかし、ふるいにかけた後に得られる用土はわずかで、大量の落ち葉が残って、あまり勧められる方法ではなかったのですが、ふと上手い方法を思いつきました。この腐葉土は、袋で販売されていて、容量は40リットルくらいです。購入時には、落ち葉は一定の期間経っています。拾いたての落ち葉ではないということです。ちょうど、袋栽培に適したサイズと思って、長ネギの種を蒔きました。長ネギは、大きくなっても場所を取らず、根も病気に強い方なので選びました。なぜ、袋栽培にしたかというと、種を蒔くことで水遣りという作業が必要になり、一日二回はやります。水を頻繁にかけることで、落ち葉がどんどん壊れやすくなり少し触れるだけで、粉々になっていきます。約3か月後には、ふるいにかけなくても、すべてを種まき用土や培養土として利用できるようになりました。しかし、よく見ると、山で集めた腐葉土なら良いのですが、公園とか道路で集めたような腐葉土もあり、見ればわかるのですが、一定ではないので、悪いのは良い腐葉土に少しまぜたりして利用します。袋によって性質が違うので、肥料分を含んだ袋もあれば、無いのもあるので、無いものには有機肥料(米ぬかなど)を足してあげるといったコントロールが必要です。各袋の肥料の持ち具合は、長ネギの生育状況で判断できます。苗半作という言葉があります。育苗が上手く行けば、あとの栽培が有利になります。種まき用土と培養土が出来て、一挙に苗の品質が上がり、菜園に定植する時には、根が十分に張り巡らせた苗を植えることが可能になり、定植後の生育がスムーズになりました。そして、収量も上がります。家庭菜園に興味がある方は、ぜひこの方法を試して欲しいと思います。