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2024年1月にエルサルバドル事務所長として着任いたしました。

エルサルバドルは南北アメリカ大陸で最も小さな国で、国土は四国より少し大きいくらい、そこに約640万人の人々が住んでいます。加えて、米国を中心に約300万人のエルサルバドル移民がおり、移民送金はエルサルバドルのGDPの約25%を占めるに至っています。太平洋に面した火山国で、首都(サンサルバドル)にもサンサルバドル火山がそびえています。そのため、日本と同様地震や津波といった災害多発国でもあります。

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現地に到着して間もない2月4日、エルサルバドルでは大統領選挙と国会議員選挙が行われました。結果は現大統領であるブケレ氏が得票率80%以上を獲得、国会議員も60議席中54議席を同氏が率いるNuevas Ideas党が占めるという圧勝で再選されました。

ブケレ政権第一期の特筆すべき実績は、なんといっても治安の大幅な改善でしょう。1970年代はテロや軍事クーデターが相次ぎ、1979年に内戦が勃発、1992年に終結した後はギャング団が横行と、エルサルバドルは歴史的に不安定な内政や治安問題に長く苦しめられており、JICAも2015年~2020年まで、地域警察活動を根付かせる協力を実施していました。(「地域警察活動に基づく新警察モデルの実施強化プロジェクト」2015年2月~2020年2月住民と警察で治安のよい地域に エルサルバドル | 広報誌・パンフレット・マンガ・カレンダー・ラジオ | JICAについて - JICA

10万人当たりの殺人件数は、ブケレ政権発足前2018年は53.3人でしたが、2023年には7.8人 1 までと、わずか5年で大幅に減りました。現地の人に聞いてみても、以前とは全く違うと皆が言います。治安改善への手法は様々な議論をよんでいますが、この国の発展の大きな阻害要因の1つであった治安が改善されたことは注目に値します。

2024年6月からスタートするブケレ政権第二期の最大の課題は経済問題です。慢性的な貿易赤字を抱える中、競争力強化、外国投資の呼び込み、雇用創出などの実現が求められています。そのためには人々の知識や技能の強化、インフラや投資環境の整備、起業家や中小零細企業支援などが必要です。また地震やコロナ感染症のような突発的な災害への備えもしておかなくてはいけません。

JICAエルサルバドルではこれらを支援すべく以下のような協力を実施しています。ぜひアクセスしてみてください。

協力方針、プロジェクト所在地、エルサルバドル国分析ペーパーなどはこちらからご覧いただけます。

今、エルサルバドルは大きな転換期を迎えています。エルサルバドル国民が誰一人取り残されることなく、開発の恩恵にあずかれるように、どのような支援をしていけばよいのか、事務所一丸となってよく考え、実現していきたいと思っています。

エルサルバドル事務所
所長 名井 弘美