ジャカルタ首都圏MRT東西線の着工式: ジャカルタ中心部と東西を結ぶ都市高速鉄道システム(MRT)の整備により 交通渋滞の緩和に貢献
2024.09.11
9月11日、インドネシア共和国ジャカルタ首都圏のMRTタムリン駅予定地において、有償資金協力「ジャカルタ首都圏都市高速鉄道東西線事業(フェーズ 1)」(以下、本事業。通称MRT東西線。)の着工式が行われました。今回の着工式は事業開始を宣言するための式典のような位置づけであり、物理的な工事の開始は来年以降を予定。
式典には、インドネシア側からジョコ・ウィドド大統領、ヘリ駐日大使、ブディ運輸大臣、ジャカルタ特別州ヘル知事代行、MRTジャカルタ社トゥヒヤット社長、日本側から在インドネシア日本国大使館正木特命全権大使、JICAインドネシア事務所竹田所長が出席し、東西線着工に際してのスピーチ、東西線のイメージ動画の上映などが行われました。ジョコ・ウィドド大統領からは、2019年3月のMRT南北線の開通はジャカルタの様相を変え、ジャカルタひいてはインドネシアの交通網を変えたこと、東西線の整備が、人々が集まる場所として、そして、交通網の中心としてのジャカルタ首都圏の発展をより一層推進することを期待すること、などの発言がありました。在インドネシア日本国大使館正木特命全権大使は、ジャカルタMRTは日本とインドネシアの経済的パートナーシップの象徴であること、東西線の整備がジャカルタ首都圏に住む多くの人々の生活をより便利、効率的、ダイナミックなものに変えると信じていること、などの発言がありました。
JICAは、インドネシア国政府との間で2024年5月に「ジャカルタ首都圏都市高速鉄道東西線事業(フェーズ 1)(第一期)」を対象として1,406億9,900万円を限度とする円借款貸付契約(Loan Agreement: L/A)に調印。本事業は、2019年3月に日本の支援で開業したMRT南北線に次ぐ都市高速鉄道であり、ジャカルタ首都圏において、交通混雑の緩和、生活・投資環境の改善、環境負荷の軽減、そして気候変動対策への寄与を目的として、ジャカルタ中心部と東西を結ぶ約84.1kmの都市高速鉄道システム(MRT)を建設する予定です。最初の整備区間となるフェーズ1ステージ1(Tomang駅-Medan Satria駅、総延長:約24.5km)は、2031年の完工を予定しています。また、本事業では日本の優れた技術やノウハウを活用し、開発途上国への技術移転を通じて我が国の「顔が見える援助」を促進するための本邦技術活用条件(STEP)が適用され、地下トンネル工事、車両及び信号システムに日本の技術が活用される予定です。
JICAインドネシア事務所長の竹田からの一言
「ジャカルタMRTはインドネシアと日本の架け橋のような存在とも言える、象徴的な二国間協力プロジェクトです。日本政府のODAや日系企業の技術・ノウハウの活用・導入を通じて、JICAや日尼の様々な関係者との連携の下、MRTJは開業時から自分たちの力で、インドネシアの人たちに愛される公共交通機関として南北線を施工・運営していることは特筆すべき点といえます。南北線の知見・経験が生かされ、東西線が、ジャカルタ首都圏のみならず、インドネシア国内におけるモデルケースとなることが期待されます。」
関連リンク:
・「ジャカルタ首都圏都市高速鉄道東西線計画(フェーズ1)(第一期)」に関する書簡の署名・交換」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press1_001637.html
・「ジャカルタ首都圏都市高速鉄道東西線事業(フェーズ 1)(第一期)のLA締結」
https://www.jica.go.jp/overseas/indonesia/information/press/2024/1545091_52846.html
・「ジャカルタ首都圏都市高速鉄道東西線事業(フェーズ 1)(第一期)の事前評価表」
https://www2.jica.go.jp/ja/evaluation/pdf/2024_IP-591_1_s.pdf
着工式の様子
◆本事業について
JICAインドネシア事務所担当 大友 彩加
TEL: +62-21-5795-2112 (ex.606)
E-mail:Otomo.Ayaka@jica.go.jp
◆広報について
JICAインドネシア事務所広報担当 プトリ
TEL: +62-21-5795-2112 (ex.222)
E-mail:PutriSiahaan.IN@jica.go.jp
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