2025年1月20日、円借款で建設されたアサハン第三水力発電所の開所式が行われました。開所式は実施機関であるPT. PLNの他の発電所と合わせてハイブリッド形式で実施され、プラボウォ・スビアント大統領及びバフリル・ラハダリア エネルギー鉱物資源大臣、アグス・ファトニ北スマトラ州知事代行など要人が出席しました。

同式典において、プラボウォ大統領やバフリル大臣からは、インドネシアは先進国の仲間入りを目指し、エナジートランジションの中で再生可能エネルギーの開発を進めていくというメッセージが強調されました。PT. PLNの担当役員からは、アサハン第三水力発電所に関するJICAの支援が紹介されました。

北スマトラ州に建設されたアサハン第三水力発電所は174MWの発電能力を有する流れ込み式の水力発電所であり、JICAは2006年3月に締結した円借款を通じて資金協力を行ってきました。コンサルタントやコントラクターには日本企業も参画し、PT. PLNと協力しながら建設を行ってきた本事業はインドネシアと日本のエネルギー分野での協力の象徴となっています。

インドネシアは2060年までのネットゼロ達成を経済成長とともに実現する国家目標を掲げており、水力発電は国産エネルギーとして、他の再生可能エネルギーとともにエネルギートランジション実現に重要な役割を担うものと考えられます。本事業の完成により北スマトラ系統の電力需給逼迫の緩和及び供給の安定性の改善に寄与するのみならず、インドネシア国のエネルギートランジションに貢献します。

JICAは、アサハン第三水力発電所以外にもインドネシア国において円借款による水力発電所及び地熱発電所等再生可能エネルギーによる発電所建設を支援するとともに、エネルギートランジションを実現していくための技術協力などの協力を実施しています。今後もインドネシア政府とともにインドネシアの掲げるエネルギートランジションに貢献していきます。