インドネシア裁判官向け『著作権ガイドブック』が完成 〜ビジネス界における法的な予見可能性の向上に向けて〜
2025.02.27
2025年2月27日、ジャカルタにおいて、JICA技術協力「ビジネス環境改善のためのドラフターの能力向上及び紛争解決機能強化プロジェクト」等の成果品である「著作権ガイドブック」の改訂版完成お披露目式典が行われました。
最高裁長官を含む関係者。
式典の様子。
式典には、インドネシア側から、スナルト最高裁判所長官、スハルト最高裁判所副長官、日本側から、永井克郎インドネシア日本国次席公使、岡村健司JICAインドネシア事務所次長等が出席し、華々しく開催されました。
これまでJICA協力では、インドネシア最高裁判所と日本の裁判官出身のJICA専門家とが協同し、日本の裁判例とインドネシアの裁判例を集めた『知財判決集』を作成しました。またそれに続き、商標事件を審理する裁判官向けの手引書として『商標ガイドブック』が2024年1月に発行されました。
今回発行される『著作権ガイドブック』は、複雑な著作権法の全体像を分かりやすく解説したもので、権利の種類、存続期間、著作権の制限規定等が、事件処理に当たって考慮すべき項目ごとに整理されています。また、著作権に関する紛争解決についての手続面についても厚く記載されており、著作権に関する事件を担当するインドネシアの裁判官が本ガイドブックを参照することで、事件解決の一助になることが期待されています。
インドネシアにおいて民間企業が円滑に活動を行うためには、法が適正に制定されることに加えて、明確かつ安定した法の適用・運用が確保されることが必要です。JICAでは、本協力を通じて、ビジネス関連事件にかかる裁判官向けの研修や執務参考資料の整備を行うことにより、同国におけるビジネス関連事件の判決の論理性向上や裁判手続の改善を図り、日系企業を含む民間企業が安心してビジネスを展開できる環境整備に寄与するための活動を進めてまいります。
国名
インドネシア共和国
案件名
ビジネス環境改善のためのドラフターの能力向上及び紛争解決機能強化プロジェクト
実施予定期間
4年間(48カ月)
実施機関
最高裁判所・法務省
対象地域
ジャカルタ
事業内容
本事業は、インドネシアにおいて、法令間の整合性確保にかかるドラフター(法案起草者)の能力向上のための研修内容の改善、及びビジネス関連事件にかかる裁判官向けの研修や執務参考資料の整備を行うことにより、ドラフターの法案起草能力及び審査能力が向上するとともに、インドネシアにおけるビジネス関連事件の判決の論理性向上や裁判手続の改善を図り、もってビジネス界における法的な予見可能性改善に寄与するもの。
本事業について
JICAインドネシア事務所担当 岩崎 玲士
TEL: +62-21-5795-2112 (ex.402)
E-mail:Iwasaki.Akihito@jica.go.jp
広報について
JICA Indonesia事務所広報担当 プトリ
TEL: +62-21-5795-2112 (ex.222)
E-mail:putrisiahaan.in@jica.go.jp
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