イラン向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:テヘラン市における仙台防災枠組みの推進体制を強化
2022.01.18
国際協力機構(JICA)は、1月12日、テヘランにて、イランイスラム共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「災害強靭性を高めるためのテヘラン市及び地方防災計画策定向上プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions:R/D)に署名しました。
イランは自然災害の脅威が常に存在する国で、地震、洪水、暴風、地すべり、干ばつの災害が主に発生しています。記録にある過去90年間に18万人以上の死者を数え、首都テヘランをはじめタブリーズ、マンジール、ガズビン、ケルマンシャー等の大都市で被害が発生しています。
JICAは2002年から2004年に「大テヘラン圏総合地震防災及び管理計画調査」を実施し、想定される被害軽減のための防災計画を策定しました。しかし、本防災計画は目標年度が2015年までであり、仙台防災枠組みのターゲットにも沿った地方防災計画の更新が喫緊の課題となっていました。
本プロジェクトでは、関係組織と共にテヘラン市総合防災管理局(TDMMO)における仙台防災枠組の実施推進体制強化を目的として、テヘラン市地方防災計画(目標年度:2030年)の改定及び同計画策定のためのガイドライン作成がなされると共に、同ガイドラインを活用して全国で地方防災計画の策定が可能となることを目指しています。また、減災のための市民への地震情報を共有する能力の改善、仙台防災枠組の指標をモニタリングする方法の開発と全国への普及も目的としています。
本プロジェクトを通じて、仙台防災枠組ターゲット(E)(国家・地方の防災戦略を有する国家数を大幅に増やす)の達成に貢献するとともに、イランにおける仙台防災枠組(2015-2030)のフォーカルポイントである国家防災機関等の対応能力強化に寄与、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール11に貢献します。
案件の詳細は以下の通りです。
イランイスラム共和国
災害強靭性を高めるためのテヘラン市及び地方防災計画策定向上プロジェクト
36ヵ月
テヘラン市総合防災管理局(TDMMO)・国家防災機関(NDMO)・地方都市管理機構(MRMO)
テヘラン市と全国
関係組織と共にTDMMOにおいて仙台防災枠組の実施推進体制が強化され、TDMMOにより地方防災計画(目標年度:2030年)が改定される
署名式の様子
署名式の様子
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