jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

― 現場の声を国際機関へ ― 協力隊員による教育活動の紹介

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs

2025.09.03

2025年8月、オロ州ポポンデッタで活動中の鈴木佑隊員(青少年活動)小林虹矢隊員(青少年活動)の2名が、世界銀行(World Bank)および国連児童基金(UNICEF)の教育分野担当者に向けて、自身の活動を紹介しました。発表はJICA教育政策アドバイザーの木田光二専門家のサポートのもと実施され、教育現場の実践と国際的な知見を結びつける機会となりました。

教育現場からの発信



鈴木隊員は、配属先(ポポンデッタ小学校)における算数教育の取り組みを紹介しました。日本政府の支援により作成されたPNG初の国定教科書を活用し、児童が基礎的な数の理解や筆算の繰り上がり・繰り下がりを身につけられるよう、段階的な授業づくりや視覚教材を取り入れていることを説明しました。また、現地教員への研修を通じ、日本式の指導法を共有していることも報告しました。






小林隊員は、配属先(ベゼル小学校)における算数教育の課題として「数字の記述の誤り」「繰り上がり・繰り下がりの理解不足」「計算手順の混乱」を紹介しました。その上で、教科書には 情報的内容・構造的内容・学習方法的内容 の3要素があり、これらを丁寧に活用することが授業の質を高める鍵であると強調しました 。

質疑応答
発表後の質疑では、以下のような点が議論されました。
・生徒は暗算や複雑な計算に課題があること。
・教員が算数の基礎知識を十分に理解しているか、また授業が依然として黒板中心に偏っていないか。
・教員マニュアルがどの程度現場で役立っているのか、誤答例や改善のヒントが示されているか。

これらを通じて、教員研修の重要性やビジュアルエイド活用の必要性が改めて確認されました。さらに参加者からは、「現場の情報が非常に興味深い」「今後も継続的な交流を希望したい」とのコメントが寄せられ、実際の教育現場から得られる知見に強い関心が示されました。

現場と政策をつなぐ架け橋
今回のプレゼンテーションと質疑応答は、教育現場で活動する協力隊と国際機関を結びつける貴重な機会となりました。

JICAは今後もPNG教育省、国際機関、教育専門家、協力隊員との連携を強化し、持続可能な教育環境づくりに取り組んでいきます。

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