JICA専門家による廃棄物管理セミナ-の開催-プラスチックごみ処理の改善に向けた取り組み-
2021.09.16
2021年9月2日及び3日の2日間、JICAはウクライナ政府関係機関と共に、廃棄物管理に関するセミナーをキーウで開催しました。
本セミナーは、現在実施中の技術協力案件「廃棄物管理能力向上支援業務」に基づく専門家派遣により実施したもので、9月2日はウクライナでも規制等が進められつつあるプラスチック廃棄物をテーマとしました。ウクライナ側からは、本案件のカウンターパートである地域発展省、環境天然資源省、キーウ・ハルキウ・ドニプロ各市・州の代表者等、約40人の参加がありました。
冒頭、地域発展省及び環境天然資源省より「日本の先進的な制度・取組をJICA専門家から直接学ぶ機会をいただき感謝。ウクライナでも関連する法制度整備を進めているところであり、日本のプラスチックごみ処分に関する制度について本セミナーから有用な情報を得られることを期待する」として日本の協力に関する期待が示されました。
JICA専門家からは、これまでコロナ禍の中で実施してきたオンラインセミナーの振り返りと共に、「日本のプラスチックごみ処理制度と現状」について実務面を含む包括的な説明を行いました。また、ウクライナ側における新たな動きとして、地域発展省による「家庭ごみ処理の現状と課題」の説明、及び環境・天然資源省による「プラスチック袋禁止法」の説明がそれぞれ行われました。
引き続き行われた質疑応答では、特にプラスチックごみの分別、回収、リサイクル、最終処分の適切な実施・運用について、出席者より活発な質疑応答や議論がなされました。特に、ウクライナにおける廃棄物処理の大きな課題となっている費用負担調整(汚染者負担など)、関係者間での合意形成、住民の意識向上(分類等)について、日本の成功経験から学ぼうという姿勢が感じられると共に、実務的な情報共有や議論を行うことができ、有意義なセミナーであったとの意見が多く寄せられました。
また、翌9月3日には、東京都を事例とする「広域廃棄物管理」に関するセミナーを開催し、地方自治体による具体的な広域廃棄物処理システム、計画策定等についてJICA専門家から説明すると共に、ウクライナへの適用可能性等について議論を行いました。
JICAは、ウクライナの生活環境改善に貢献するため、本支援業務も含め、日本の技術や知見を活かした協力を今後も続けていきます。
なお、本協力に先立ち実施されたJICAの調査報告書は、以下リンクよりご覧いただけます。
セミナー会場の様子
環境天然資源省副大臣Mr. Ruslan Strelets
地域発展省・公共サービス局長 Mr. Andriy Vedmid
環境天然資源省・廃棄物管理局長Ms. Olena Koltyk
JICA副田専門家、細野専門家
集合写真
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