ポーランドのウクライナ難民の子ども向けに課外活動を実施
2025.03.06
JICAは、ポーランドに滞在するウクライナ難民の子どもの基礎教育改善を目的に、ポーランドのNGOであるPolish Women Can Do Everything Foundationに委託して課外活動事業を実施しています。
2022年2月のロシアによるウクライナへの全面侵略を受け、現在でもポーランドには989,540人のウクライナ難民が滞在し、うち子どもの割合は39%となっており(2024年12月、UNHCR)、言語など母国とは異なる生活環境下による基礎教育への影響が課題となっています。本事業は、子どもたちへの心理的サポートを通して学習モチベーションを高めながら、ポーランドの教育環境を改善することを目的としています。
2025年2月上旬、首都ワルシャワの公立学校の冬休みにあたる期間に、民間企業の方々のご協力のもと、様々な課外活動が行われました。
2025年2月4日、6日、11日の3日間、ワルシャワにある「E.ウェデル・チョコレートファクトリー・ミュージアム」に、ウクライナ難民の子どもたちが招待されました。同ミュージアムは、菓子メーカーであるロッテ・ウェデル社の製造工場に隣接して2024年9月に開業し、製造工場の見学や食育を目的とした体験型施設となっています。子どもたちはポーランド語のガイドによる説明を受けながら、身近なチョコレートが作られるまでの過程や、1851年の創業以来ポーランドの人々に親しまれてきたE.WEDELブランドの歴史について学びました。
また、2025年2月10日、パナソニック・ウクライナ(株)所属のウクライナ人スタッフ2名が同NGOを訪問し、子ども向けにプレゼンテーションを行いました。長年ウクライナ事業を展開してきた同社より、日本によるウクライナへの貢献について紹介があったほか、子どもたちは時折出題される同社にまつわるクイズに答えながら積極的に参加していました。
他にも、民間企業の方々のご協力に拠らず、同NGO主導のもと、子どもたちの心理面に寄り添った様々な課外活動を実施しています。そのうちの一つとして、"Wintering birds and how to help them" という活動では、ポーランドで越冬する鳥をどのように助けることが出来るかについて子どもたち同士で考え、博物館への訪問などを通して情報収集し、自ら木材で巣箱を製作して外に設置し、定期的に餌を補給しながら春まで観察することとしており、子どもたちはチームワークを育むとともに、自然環境について学べる機会となっています。
「E.ウェデル・チョコレートファクトリー・ミュージアム」での様子1
「E.ウェデル・チョコレートファクトリー・ミュージアム」での様子2
パナソニック・ウクライナ(株)によるプレゼンテーションの様子1
パナソニック・ウクライナ(株)によるプレゼンテーションの様子2
Polish Women Can Do Everything Foundationでの課外活動1
Polish Women Can Do Everything Foundationでの課外活動2
(了)
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