バヌアツ共和国「Build Back Better(より良い復興)セミナー ~日本の地震災害からの復興・復旧経験の共有~」を震災1か月後に開催
2025.02.03
会議名:バヌアツ共和国におけるBuild Back Better(より良い復興)セミナー
開催日:2025年1月23日(木)14:00~16:30(現地時間)
主催:バヌアツインフラ公共事業省(MIPU)およびJICA
場所:バヌアツ共和国首都ポートビラ
登壇者:
(バヌアツ側)ジョンソン・ビナル(インフラ・公共事業省次官)
(日本側)奥田直久(在バヌアツ日本国大使館特命全権大使)、西川智(JICA地球環境部防災グループ国際協力専門員)
参加者:
バヌアツ政府関係者、他開発パートナー(豪、NZ)など、日本・バヌアツ双方より80名以上
背景・目的:
2024年12月17日、バヌアツ共和国の首都ポートビラ市沖でマグニチュード7.4の地震が発生し、市内の複数の建物が倒壊すると共に、複数個所でがけ崩れが発生し、死者14名、負傷者200名以上の被害をもたらしました。JICAは、震災直後から緊急援助物資の供与や災害医療情報マネジメントに関する支援を開始すると共に、被災状況の確認とBuild Back Better(より良い復興)に基づいた復旧・復興ニーズの確認、他開発パートナーとの連携を目的に、2025年1月5日から「災害発生後の復興支援のための迅速な調査団」を派遣しています。
今回のセミナーは、日本の地震からの復興・復旧の経験を共有することで、今後の復興・復旧のビジョンをバヌアツ政府が考える参考にしていただくことを目的に開催しました。
本文:
冒頭、奥田直久特命全権大使からは、今次震災に対するお悔やみが述べられると共に、日本の震災復興の経験を同国の復旧・復興に活用いただきたい旨が示されました。
JICA地球環境部防災グループの西川智国際協力専門員からは、震災からの復興・復旧にあたっては、港湾、空港、道路・橋梁、電気、水道などの基本インフラが基礎となり、その上で生活(医療、教育、住居)と経済の復興が成り立つことが紹介されました。次いで、日本の災害対応の歴史と経験が共有され、1995年の阪神・淡路大震災、2004年の新潟中越地震、2011年の東日本大震災、2024年の能登半島地震等での経験と事例を織り交ぜ、耐震基準の変遷、政府庁舎等重要建物の耐震化、港湾など重要インフラの強靭化など幅広い経験が紹介されました。特にバヌアツでは震災から1か月が経過した今も、観光と経済の中心地である中心市街地への立ち入りが禁止されていることから、阪神・淡路大震災での市街地整備の経験は出席者から高い関心を得ました。
バヌアツのジョンソン・ビナル公共事業省次官からは、閉会の挨拶として、Build Back Better(より良い復興)の考え方に基づいて復旧・復興に取り組むことの重要性が示され、開発パートナー、特に日本、豪州、ニュージーランドと共に取り組みたいと表明されました。加えて、この地震の経験を後世に伝えつつ、バヌアツ政府自身がより強靭な社会を作るためのビジョンを描くことが重要であるという力強いメッセージが発信されました。
1階が押しつぶされたポートビラ市内のビル
有償資金協力で整備した国際ターミナル埠頭そばで発生した地すべり
登壇する西川智国際協力専門員
セミナー会場の様子
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