暮らしと経済を支える橋梁の長寿命化に向けて

2023.09.11

内陸国のザンビアでは、ヒトやモノの移動のほとんどを「道路」に頼っています。JICAは、人々の暮らしと経済を支える運輸交通インフラを整備する協力だけでなく、これらインフラが安全に長く活用できるための能力強化にも協力しています。

そのひとつが、2019年3月から2024年3月までの予定で実施されている「橋梁維持管理能力向上プロジェクトフェーズII(技術協力)」です。このプロジェクトでは、ザンビアの道路や橋梁の建設・維持管理を担当する道路開発庁(RDA:Road Development Agency)に対し、橋梁の日常的な維持管理、補修、点検業務の実施に必要な技術の強化に取り組んでいます。ザンビアでは、橋そのものの老朽化に加え、交通量の増加や荷物を多く積んだ車両の通過によっても橋の劣化が進行しています。そのため、橋の状態を正しく診断し、計画的かつ適切な方法で維持管理することがますます重要になっています。

このプロジェクトでは、日本の橋梁技術者をJICA専門家としてザンビアに派遣し、RDAや民間の技術者(道路開発庁から維持管理等を請け負う会社の技術者)に対し、ザンビア国内の様々な橋梁(首都ルサカ近郊のカフエ橋やルフンサ橋、世界三大瀑布のビクトリアの滝近くのビクトリアフォールズ橋等)で定期的に実地訓練(OJT:On the Job Training)を実施しています。このOJTを通じて、RDAや民間の技術者は様々な種類の点検や補修方法を実践的に習得しています。また、日本での研修も実施し、日本の橋梁や関連施設の視察を通じて、これらのインフラの維持管理手法について学びました。日本で学んだザンビアの技術者が、今ではザンビア国内で他の技術者に対して学びの輪を広げています。

ザンビアでのインフラ整備のニーズは膨大ですが、既存のインフラをより長く使えるようにすることの重要性も増しています。JICAは、今後もザンビア国内のインフラ技術者の育成に積極的に取り組んでいきます。

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