はじめての校外学習inザンビア -同期隊員とのコラボ企画- 2023-1次隊 障害児・者支援 村上恵里佳
2024.07.24
2023年度1次隊(障害児・者支援)の村上恵里佳です。私は首都ルサカにあるチャイナマ特別支援初等学校で活動しており、現在は聴覚障害の5年生を担当しています。先日現地の先生方と共に担当している生徒たちを連れて初めての校外学習に行ってきたので、そのことについて書きたいと思います。
●背景
今回の校外学習の目的はコンポストの見学です。理科で肥料についての単元がありせっかくなら実際に見たり作ったりしたいなと考えていました。同じくザンビアで活動する成相隊員(2023-1・家畜飼育)はNatural Resource Development College(NRDC)という農業短期大学で活動しています。幸運にも活動先が近いこと、成相隊員が活動でコンポストを作っていることもあり、この機会に訪問をお願いしました。事前準備としては、授業で有機肥料と化学肥料の違いやコンポストの作り方などを学んだり、訪問にあたり正式に文書での依頼をしたりしました。
●わくわくの校外学習!当日の様子
当日は40分ほど歩いてNRDCに向かいました。成相隊員と本校の生徒たちが会うのは実はこれで3回目です。生徒たちも成相隊員と会えて嬉しそうでした!まずは学長に挨拶をし、いよいよコンポストの見学です。肥料化するにあたり発酵熱が発生することは授業で学びましたが、実際にコンポストに手を近づけて熱を感じると、みんな大喜び!本当にあったかいねと驚いていました!その後は牛や豚や鶏といった家畜の見学や学食の食品残渣を使った餌やり体験もさせてもらい、最後には大学の先生からコンポストについての説明と作り方のデモンストレーションをしてもらいました。コンポストの作り方を授業で行った時はどこまで理解しているのか見えにくいところがありましたが、実物を見ながら説明を聞いたことで、生徒たちの理解が深まったと思います。聴覚障害の子たちは音は聞こえないけれど、色の微妙な違いやに匂い、温度などを感じることはできます。これは机上の学習ではできないことです。貴重な体験をさせてくれた成相隊員の配属先に感謝しています。
●校外学習コラボ企画を終えて・・・
この活動を通して嬉しかったことがいくつかあります。
一つ目はなによりも子どもたちの笑顔が見られたことです。授業で学んだ知識が本当だ!と驚く顔や家畜を近くで見て喜んでいる姿を見られて、実際に体験することの喜びや大切さを感じてもらえたと思います。
二つ目は、現地の方にチャイナマ特別支援初等学校の生徒たちのことを知ってもらえたことです。私が手話で通訳している姿をみて、NRDCの先生方が”No one is left behind.”(誰一人取り残されていない)と言っていました。音のない世界で生きていたとしても一生懸命に学んでいる生徒がいる、そしてそれをサポートしている先生がいるということを知ってもらえただけでも、地域に根付いた学校づくりの一歩になったと思います。
三つ目は、NRDCでの課題解決の一歩となったことです。NRDCでは家畜の糞を効果的に使えていない現状があるようで、成相隊員は「コンポストの重要性について彼ら(現地の先生方)の口からちゃんと説明してほしかった。これを機にコンポストの有効利用につながるといいな」と言っており、NRDCでの課題解決にも繋がる活動になりました。
そして、それぞれの活動場所に隊員がいたことによって、お互いがお互いの架け橋となってザンビア人同士の繋がりを作れたことがなにより嬉しかったです。それぞれの活動場所から活動範囲を広げ、様々な人の協力があって実現したこの企画は、互いの活動に良い影響をもたらすことができたと思います。
1.学長に挨拶!緊張の様子
2.コンポストの発酵熱体験
3.豚舎の見学と餌やり体験
4.現地スタッフによる鶏舎ツアー
5.コンポストの説明とデモ
6.NRDCの先生方と
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