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都市化の影で積み上がる廃棄物:ルサカの現状と日本の協力

2026.03.17

名古屋サイズのザンビアの首都、ルサカのゴミ問題
ザンビアの首都ルサカは、2022年時点で人口約220万人。名古屋市と同規模ながら、年3%のペースで急速に成長しています。その一方で、都市の成長にゴミ処理が追いついていません。JICA「ルサカきれいな街プロジェクト」チームの調査(2022年)によると、ルサカでは毎日1,423トンのゴミが排出されますが、回収されるのはその約24%にあたるわずか338トン。残りの1,085トンは道端や排水溝、不法投棄場に捨てられています。これは、学校の25mプール約90杯分(※)に相当する量のゴミが毎日市内に残されていることを意味し、街の衛生や環境に深刻な影響を与えています。

※都市ごみの平均密度は約0.2トン/m³とされており(環境省「一般廃棄物処理事業実態調査」より)、これを基に未回収ゴミ1,085トンを体積換算すると約5,400m³、学校の25mプール約90杯分に相当します。

最終処分場の現状と課題
では、回収されたゴミには問題はないかというと、そうではありません。市内唯一の公式処分場「チュンガ処分場」では、ゴミが無計画に積み上げられ、外壁も不十分。汚水が周辺に漏れ出し、住宅地の環境を汚染する恐れがあります。急斜面となったゴミの山が崩れるリスクもあり、周辺の住民、処分場で働いている人、ゴミ拾いを生業とする人々(ウェイストピッカー)の安全も脅かされています。

日本の支援「ルサカのきれいな街プロジェクト」
こうした課題に対し、JICAは2022年から「ルサカのきれいな街プロジェクト」を開始。日本人専門家が現地の廃棄物公社と協力し、ゴミ収集率の向上や処分場の運営改善に取り組んでいます。中継基地の設置や住民への啓発活動を通じて不法投棄を減らし、処分場では外壁の整備、汚水の排水改善、ゴミの計画的な配置・圧縮、安全対策の強化などを進めています。その結果、一目でわかるくらい、処分場の状況が改善されました。

日本の知見が処分場
実は、チュンガ処分場の改善には、日本の処分場運営方法である「福岡方式」が参考にされています。1970年代、福岡市では、都市化と経済成長を背景としてゴミが急増し、都市部に近い埋立地での悪臭や地下水汚染等の問題が深刻化していました。そこで、福岡市と九州大学が処分場の周辺環境を守るために様々な工夫を凝らして開発したのが「福岡方式」です。例えば、ゴミから浸出する汚水を地下にある排水パイプを通じて決められた場所に集めて流出を防ぐことは、チュンガ処分場でも取り入れられています。ルサカの廃棄物公社の職員も高い関心を持っており、日本で「福岡方式」を学んだ公社の職員が同僚向けに自主勉強会を開いた際には多くの質問が飛び交いました。日本の経験や知見が、遠く離れたアフリカの都市で活かされ、人々の暮らしを支えています。

チュンガ最終処分場におけるビフォーアフター1 【ビフォー】

廃棄物を圧縮し法面を段々状にすることで崩壊リスクを低減し更なる埋め立てを可能に 【アフター】

チュンガ最終処分場におけるビフォーアフター2 【ビフォー】

無秩序に散乱したゴミの除去と外壁の整備による環境改善【アフター】

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