ウクライナ避難民に係る緊急人道支援・保健医療分野協力ニーズ調査団の帰国について

2022年5月2日

避難所で活動しているスイスチームからの情報収集風景

第二次調査団によるEMTCCでの活動

キシナウ市内病院にて医療機器メンテナンスに関する意見交換

現地医療従事者と医療機材を確認する団員

国際協力機構(JICA)がウクライナ避難民及び周辺国支援のためモルドバに派遣していた緊急人道支援・保健医療分野協力ニーズ調査団のうち最後の2名が5月1日に帰国し、現地調査活動を終えました。

3月19日から派遣を開始した第一次調査団は、避難所や病院訪問などを中心に精力的な調査活動を行い、その結果、高度医療を必要とする慢性疾患を抱えた避難民流入によるモルドバの医療体制への負荷増大、医療機材の老朽化やメンテナンスを行う人材不足、ウクライナから多くを調達していた医薬品をはじめとする医療資機材不足等の課題が特定されました。さらに4月5日から派遣を開始した第二次調査団では、これらの課題に対する現地のニーズを具体化すべく、緊急性を要する医療機材の選定や優先順位付けを行い、支援策を迅速に策定することができました。

また、調査団はモルドバ保健省及びWHOによって設置されたEMTCC(緊急医療チーム調整所:Emergency Medical Team Coordination Cell)に参加し、各国緊急医療チームの活動調整、MDS (Minimum Data Set) の活用による患者情報のデータ分析、情勢悪化に備えた緊急医療チームの配置計画の策定等への支援を継続して実施しました。MDSの導入支援により患者データが数値化・可視化され、避難民の求めている医療ニーズや傾向などを明らかにし、現地の支援調整に貢献することができました。

JICAは、調査団により具体化された支援策を早期に実施するとともに、避難民を受け入れているモルドバを含むウクライナ周辺国に対し、国際機関などのパートナーとともに、引き続き最大限の協力を行っていきます。

関連リンク: