田中理事長がグアテマラとコロンビアを訪問：治安改善や平和構築等を通じ両国と更なる関係強化へ

田中明彦JICA理事長は、2月20日から26日にかけて、グアテマラ共和国とコロンビア共和国を訪れました。グアテマラでは外交アカデミーで講演を行い、米国国際開発庁（USAID）との連携協定署名に立会い、コロンビアではJICAチェアの特別講演を行ったほか、地雷除去を推進する技術協力プロジェクトの討議議事録署名式に立会いました。また、それぞれの国において政府要人との会談、協力事業の現場視察等を行いました。

1.グアテマラ共和国
田中理事長は、首都グアテマラシティでアレハンドロ・ジャマテイ大統領と会談しました。田中理事長は地域警察プロジェクトや移民送金を活用した金融包摂推進アドバイザーなどのJICA事業に言及し、今年はグアテマラとの技術協力協定45周年であり、今後も引き続き協力関係を深めていきたいと発言しました。ジャマテイ大統領は理事長の発言に同意し、小規模農業生産者の市場アクセス促進への協力にも言及しました。

また、田中理事長は、グアテマラ外務省外交アカデミーで「人間の安全保障と複合危機」をテーマに講演を行いました。本講演はグアテマラ政府関係機関にもライブ配信され、多くの視聴者が参加しました。また理事長は外交アカデミーにて著書及びDVDを寄贈しました。

在グアテマラ米国大使館では、日米連携に基づく非正規移民対策に係るJICAとUSAIDとの連携協定の署名式に参加しました。田中理事長は、連携協定締結を契機にJICAとUSAIDがより一層連携を強め、非正規移民発生の根本原因とされる、貧困、治安、自然災害といった課題の解決に資する具体的な活動がなされることを期待すると述べました。

この他、田中理事長は技術協力プロジェクト「地域警察プロジェクト」が地域の治安改善のために街路の壁画製作を行う現場を視察し、JICAロゴに筆を入れました。

2.コロンビア共和国

続いてコロンビアを訪問した田中理事長は、首都ボゴタでフランシア・マルケス副大統領及びアルバロ・レイバ外務大臣と会談しました。50年続いた国内の紛争を踏まえ、和平を推し進めるためにグスタボ・ペトロ政権が掲げる「全面和平（Paz Total）」に貢献する地雷対策プロジェクトなどの協力、海外協力隊の活動、太平洋岸地域を中心とした新たな支援ニーズなどについて話し合い、太平洋に面した隣国としてさらに協力関係を深めることで一致しました。

　また、新たに開始する技術協力「対人地雷包括的行動促進のための人材育成プロジェクト」の討議議事録の署名に立会いました。これに先立ち、地雷博物館でコロンビアの地雷被害の現状の説明を受け、地雷対策活動現場で地雷撤去のデモンストレーションを見学し、自ら重機を操作しました。

このほか、ロス・アンデス大学日本センターにて「The World and Japan： Post-Cold War era」をテーマにJICAチェア特別講義を開催しました。講義の様子は中南米・カリブ地域内にも同時配信され、約150名が聴講しました。