エチオピア向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:市場志向型園芸農業振興を通じて小規模農家の生計向上を支援

【SDGsロゴ】貧困をなくそう

【SDGsロゴ】飢餓をゼロに

2023年3月30日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、3月28日、アジスアベバにて、エチオピア連邦民主共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「市場志向型小規模園芸農業推進プロジェクトフェーズ2」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

エチオピアでは、人口の約8割が農村部に暮らし、雇用の約7割を農業が占めます。農業は毎年7%弱の堅調な成長を遂げており 、エチオピアの経済を牽引する最も重要なセクターです。エチオピア政府は、長期経済開発の重点分野の1つとして園芸作物(野菜、果樹、花卉)の振興を掲げており、園芸作物振興を通じて農業の競争力強化、農家の生計向上等に取り組んでいます。しかし、園芸作物の普及手法は確立されておらず、農家を指導する行政職員の技術力不足や市場志向型農業に対する理解不足のため、市場ニーズを的確に反映した栽培や営農指導が行われず、農家の生計向上につながっていません。

こうした状況を受け、JICAは、アムハラ州、オロミア州の2州を対象として、技術協力プロジェクト「市場志向型小規模園芸農業推進プロジェクト」(2017~2023年)(以下、「フェーズ1」)を実施しました。小規模園芸農家が求められている作物や出荷のタイミングなど市場ニーズを意識した上で栽培技術、販売力、経営力を強化することにより、対象農家の園芸作物の販売収益が平均で2倍以上に向上するなどの成果を上げました。本事業では、フェーズ1の対象地域であったアムハラ州、オロミア州にシダマ州、南部諸民族州を新たに加え、より広範囲で持続可能な園芸農業普及手法の改善を図ります。

本事業は、市場志向型園芸農業推進を通じてエチオピアの小規模農家の生計向上に寄与するもので、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール1(貧困をなくそう)及びゴール2(飢餓をゼロに)に貢献します。 

案件の詳細は以下のとおりです。

【案件基礎情報】
国名 エチオピア連邦民主共和国
案件名 市場志向型小規模園芸農業推進プロジェクトフェーズ2
実施予定期間 60ヵ月
実施機関 連邦農業省農業・園芸開発セクター、アムハラ州/オロミア州/シダマ州/南部諸民族州農業局
対象地域 アムハラ州、オロミア州、シダマ州、南部諸民族州
具体的事業内容(予定) 市場のニーズと農家のモチベーションに留意した農業普及事業の推進を実践する政府機関の体制整備、現場での農業普及事業実施、連携できる開発パートナーの拡大により、園芸作物の生産量・質・販売収入の向上を達成し、小規模農家の生計向上に寄与する。

 

関連リンク: