私の人生や職業は、たくさんの女性に会いたいと思わせる「情熱」の上に成り立っている　－マービア・コリーナ・デュボン

ベリーズ支所ナショナルスタッフのマービア・コリーナ・デュボンさんが、2022年のベリーズの価値のある女性トップ100"Top 100 Women of Worth Belize 2022"に選ばれました。マービアさんのこれまでのご経験や、ジェンダー平等への想い、今後の展望についてご紹介します。

チームで力を合わせ、コミュニケーションは毎日5、6回

私は約25年間、ベリーズで行政や広報業務に従事してきました。2019年11月にJICAベリーズ支所に入ってからは、その知識や経験を活かしてJICAの知名度アップを目指しました。

私の夫がラジオとテレビ局で仕事をしており、ベリーズ国内最大のメディアでもあることから、そのつてを利用し、JICAの活動がメディアに多く露出できるよう橋渡しをしました。

これは私一人の仕事ではなく、私たちの仕事、チームワークのたまものです。橋口さん（元ベリーズ支所長）と一緒に仕事をするようになり、チームの他のメンバーとともにいろいろな見聞き、経験したことを、少なくとも1日に5、6回は話をしていると思います。

私の情熱は広報活動、SNSの利用も

私は自分の得意分野でもある広報活動に力を入れ、この2、3年、ソーシャルメディアを上手に使ってきました。私たちの仕事ぶりをきちんと見ている人たちがいます。ソーシャルメディアを賢く使うことを学べば、それは人生にもプラスになります。ベリーズ大学教授でありTop 100 Women of Worth Belizeの選考委員でもあるブランドン・カエターノ氏、そしてベリーズの他の多くの人々からフォローされています。最初の1年間で私たちの活動ぶりがずいぶん広まりました。

ベリーズ農業協同組合での農産物バリューチェーンの改善へ

JICAベリーズで2021年に立ち上げた最大のプロジェクトの1つが今年3月に終了したことを大変うれしく思っています。それは、ベリーズ農業大臣から日本／JICAに直接要望がなされ、農業省とベリーズ支所とで緊密に仕事をしたプロジェクトで、ベリーズ農業協同組合での農産物バリューチェーンの改善という成果が得られました。このプロジェクトによりJICAは多くのメディアで取り上げられ知名度向上につながりました。

私が「ベリーズの価値のある女性トップ100」の一人として選ばれたのも、このプロジェクトが大きな要因の一つで、選出決定が知らされたとき、思わず嬉しくて泣いたんですよ。JICAの組織、グループの活動をよく評価して下さっていたからです。

政治への女性の参画が課題解決のカギ

政治への女性の参画、これは多くの国で非常に重要な課題だと確信しています。

ちょうど昨年、ベルモパン（ベリーズの首都）で私は大きな感銘を受ました。ベリーズ史上初の女性市長（パラシオ市長）が誕生したのです。そのパラシオ新ベルモパン市長の就任は、男女平等の信念に情熱を傾ける私たち女性のモチベーションを高めました。

男女共同で100人を選出

今年、ベリーズで初めて「女性月間」がありました。自分のコミュニティに変化をもたらした人、自分の周りだけでなく、ベリーズの国にも変化をもたらした人を対象に、男性と女性が一緒になって選考委員会を設立し、100人の女性だけを選ぶことができるんです。

献身的に奉仕

数年前、ベリーズのヘブンハウスの代表として働いているシャーマン・サンダース医師に出会いました。ヘブンハウスは虐待を受けている女性のためのシェルター住宅で、ベリーズ政府が資金を提供し、女性たちが運営しています。ハウスには肉体的、精神的に傷ついた女性たちが訪れます。私は自から志願し無給で指導しています。それは私の情熱だからです。情熱が私を動かし、より多くの女性に会いたいという気持ちにさせるのです。社会奉仕活動は私の人生の一部ですがとても楽しいです。

日本や他の国のことは分かりませんがベリーズでは職場、特に管理職では女性が多く、力を発揮しています。男性は、職場で支配的ではありません。ベリーズの男性はギャングの暴力によって刑務所に入ったり、女性に暴力的になったり、仕事もなくホームレスになったり、残念ながら命を落としたりします。このことが強く私の心をとらえ、女性のためのカウンセリングや結婚カウンセリングへ向かわせているのです。

自分ができることを模索し続ける

私は自分自身に縛りをかけたことがありません。JICAがこのベリーズという国で成長を続けられるよう、自分ができることを模索し続けています。これまでの経験や人間関係が私を鍛え上げ、JICAでの仕事に全力を尽くそうとする今に至ったのだと思います。

"Top 100 Women of Worth Belize 2022"の選出にあたったWoW Belize（ベリーズ政府公認の任意団体）は、「マービアは、ベリーズのみならず国境を越えた多くの女性のロールモデルです。過去30年間、彼女の愛情と情熱は、さまざまな機会への扉を開き、多様な人々との実践的なプロジェクトを始動させました。ベリーズの苦悩している多くの人々の生活に寄り添い、救いの手を差し伸べ、障害を乗り越えられるよう、献身的に奉仕しています」と評しています。