未来を切り拓く生徒たちの底力を実感して

北海道滝川西高等学校 齋藤 千晶 先生

教師国内研修参加までの経緯

昨年度、校内で総合的な探究の時間の主担当となり、講師を招いたSDGSワークショップや出前授業の企画・実施をする中で、講師の中でも同じ高校教諭という立場で、見事な出前授業実践をしてくださる先生方と出会いました。自分自身は、それまで音楽の授業でSDGsとつながる内容に触れることはあったにしても、総合的な探究の時間で授業を実践するにはまだまだ知らない・わからないことばかりといった状態であり、来校し授業実践してくださった先生方のその姿にはただ憧れと尊敬の念を抱くのみでしたが、次第に、「専門教科を問わずすべての教員がこれからはこのような授業ができるようになれば…。」、「自分も教材やスキルを身に付けて授業実践ができたら…!」という思いが強くなり、今年度の研修に勇気を出して応募するに至りました。

授業実践に関して

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最後のグループ発表の様子

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滝川の街づくりに関するアイディアの例

この研修を振り返り、得られたことを一言で表すとしたら、「新たな出会い」、これに尽きます。研修参加同期の、今や同志と呼ばせて頂くべき5名の先生方との出会いに始まり、貴重な知識、経験、考え方、テクニックなどなどを惜しみなく分け与えてくださったアドバイザーの堀先生はじめ講師の先生方と出会い、それぞれ熱い思いを持たれてオンライン研修に参加された一般参加者の皆さんやJICA関係者の皆さんと出会い、そして、今回の研修のテーマとなった道内三つの町で、それぞれの領域で活躍されているプロフェッショナルな方々と出会い、お話しすることができました。普段、学校と家の往復を繰り返し、なかなか他の職業の方とお話しする、しかも地球や社会の将来について語り合う機会のない私にとって、この経験はかけがえのないものとなり、今後の授業に生かせる沢山のヒントを頂けました。ここまで盛りだくさんの出会いに恵まれたのは、もしかするとオンラインでの研修だったからこそとも言えるのではないかと感じています。そして、忘れてはならないのは、このおそらく初めての形での研修を有意義にすべくたくさんの工夫や配慮を重ね、研修の運営をしてくださったJICA北海道のスタッフの皆さんとの出会いです。研修の合間や懇親会で、スタッフの方々の意外な素顔やバックグラウンドについてお話ししてもらえたことも大切な思い出です。

研修を通して

2か月かけて一から作り上げた指導案をいよいよ実践するという時、自分の中ではまだ正直なところ勉強不足・準備不足と感じる部分があって不安がありました。が、同僚二名に指導案をお渡しし、説明して、同時に実施してもらうという状況の中、私が弱音を吐いている場合ではありません。クラスの生徒の顔を思い浮かべながら「大丈夫大丈夫」と自分を励まし、また、結局は不安な要素も含めてお二人の先生にお話ししました。すべて温かく受け止め、快く一緒に授業実践に挑戦してくれた二人の同僚には、ただただ感謝しかありません。

新しいことへのいわば挑戦が続く現在の教育現場ですが、挑戦することに臆してしまったり戸惑ってしまいがちなのは自分の方で、教える対象であるはずの生徒たちの方がむしろ、よほど新たな未来を切り開いていくパワーに満ちていることを、今回の授業実践でも改めて感じました。
今回の研修・授業実践を通して、これからともに社会を築いていく高校生たちの底力を確信できたことで、自分自身も負けずにこれからも挑戦を続けていきたいと改めて思っています。

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