私が共生社会を築いていく

北海道池田高等学校 米家 直子 先生
実施教科(領域):公民科(時事問題)

教師国内研修参加までの経緯

「共生社会」をテーマとした授業づくりに興味があり、参加したいと思った。浦河や平取には親しみがあり、個人的に何度も行ったことがある土地だったが、他の参加者との交流の中で、自分にはない気づきや視点を得てみたいという気持もあった。

研修を通して

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大きな心の動きを感じることができた平取川

久しぶりの(オンラインではない)リアル研修だったので、インタビュー相手の表情や息づかいなどに新鮮な気持ちになっただけでなく、オンライン研修では感じられないような自分の大きな心の動きも感じることができた。平取川を見た時、雄大な川幅があるのにもかかわらず、土砂の堆積により流れの音が聞こえず、その聞こえないということに気がつけたのも、川を目の前にしたからではないかと思った。研修中には、小中の先生方が、実物教材や実体験を重視して児童・生徒の興味関心を惹きつけようとしている態度に何度もはっとさせられることもあった。自分自身が、何か学びたいと感じるきっかけには、必ず魅力的なモノや人物との出会いがあったことを思い出すことができ、学ぶという行為についてシンプルに捉えなおすこともできたと思う。

授業実践をふりかえって

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ロールプレイをする生徒の様子

共生社会を築いていく主体者という意識を生徒に持ってもらうことができた。また、様々な人々と共生するにあたって、文化の差違や背景に着目するだけでなく、自分との共通点を見いだす姿勢もまた必要であるということに気づいた生徒がいたことは、とてもうれしかった。活動の中で「言語の壁」を体験するというねらいは達成できたが、逆にその設定であったために対話の量と質を確保できず、活動をねらいにわけて整理する必要性を感じた。

今後のビジョンについて(学びえたこと、作成した指導案をどのように活用していくか)

いつも感じることだが、生徒らが授業者の予期していたこと以外の反応や予想を超える学びをすることを今回も感じた。今後も指導案を作成するにあたり、生徒を信頼し、彼等の学びの可能性を矮小化しないような授業案の作成をこころがけたいと思った。
今回作成した指導案は、オープンスクールデーや町民が参加する高校主催のふれあい講座などで実践してみたいと思う。

【アドバイザーからのコメント(モニタリングを実施してのアドバイザーからの感想)】

ロールプレイの手法を用いて、地域の外国人労働者と町おこし協力隊、高校生それぞれの立場や思いに寄り添い、それぞれの願いをかなえることのできるイベント、プロジェクトの「企画書」をグループで作成することで、共生社会の構築をより身近な問題ととらえ、思考を深めることのできる教材となっていました。ロールプレイが位置づけられているからこそ、事象を俯瞰するだけでなく、個々のステークスホルダーに焦点を当て、それぞれが抱える課題や困り感について共感的に理解した上で、思考をふかめることのできる教材となっており、参加型の学習手法が有効であることがよくわかる授業実践でした。

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