私たちの当たり前

苫小牧市立沼ノ端小学校 渡部 宏美先生
実施教科(領域):道徳

1.教師国内研修参加までの経緯

所属している胆振国際理解研究会からの案内で今回の研修を知った。国際理解教育について以前から興味をもっていたこと、自分で道徳の教材を作りたいと思っていたことからとても良い機会だと思い参加することにした。普段なかなかできない他の学校の先生との交流や体験を通してさらに自分自身の視野も広げていきたいと思った。

2.研修を通して

中・高の先生方と交流し、同じ教育現場でも違う部分を知り、授業や学校生活での苦悩や喜びを知ることができた。
また、浦河では、多くのインド人が仕事をしていることを知り、地域の人手不足を助けていることを実感した。しかし多くの課題もそこにはあり、これからの社会が外国人労働者に頼らざるを得ないのであれば、システムや環境の見直しがもう少し必要であることも感じた。この研修がなければ、あまり関心が向かないままだったのを考えると今回参加し、知ることができてよかったと思う。

3.授業実践をふりかえって

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生徒から色々な意見を引き出せた

教科書で学ぶだけではない道徳の教材を一つ作ることができてよかった。子どもたちも興味をもって授業に参加し、いつもより楽しい学びだと感じてもらうことができた。今回学びについての大切さや文字が読めることは、決して当たり前なことではないということを子どもたちに実感してもらいたかったがそこについては、目的を達成できたのではないかと考える。
SDGsという言葉についてもよく知ってもらうことができた。

4.今後のビジョンについて(学びえたこと、作成した指導案をどのように活用していくか)

自分で制作した教材は、教科書に比べて刺激が多く楽しく学べるものになるのだと感じた。道徳のオリジナル教材を更に増やしていきたい。また、今回の授業は、6年生で行ったが、中学年から使えるものになっていると思う。自分が受け持つ学年で毎年行なっていければよい。

5.アドバイザーからのコメント(モニタリングを実施してのアドバイザーからの感想)

本実践は、子どもの学びが深まるように、活動だけではなく活動を取り入れる順番も工夫されていました。「読めない文字のラベルが貼られた3つのビンの中から薬のビンを選ぶ活動」では、すぐに正解を教えずに、ラベルの裏に書かれた英語訳を示していました。このことによって英語を読める子どもとそうでない子どもの間にインフォメーションギャップが生じ、「文字を読む力」は、自然に身に付くのではなく、学習によって獲得できること、つまり学ぶことの大切さに気付くことができたのではないかと思います。また、「契約書にサインをするか・しないかを選ぶ活動」では、サインをした方が得と設定されていました。このことによって、文字が読めることは安心・安全なだけではなく、自分たちの生活を豊かにするということを実感し、理解できたのではないかと思います。「学校がめんどくさいといってしまい、申し訳ない」、「自分が学ぶことは誰かの役に立つことにつながることがわかった」等の感想を引き出せたことから、学習のねらいが達成できたといえるでしょう。本教材は、汎用性の高い教材ですので、学校のみならず社会教育などでも活用いただけることを望みます。

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