知ってる!? アイヌのアレやコレ!!

網走市立第一中学校 梶野 有美先生
実施教科(領域):総合的な学習の時間

1.教師国内研修参加までの経緯

網走市立第一中学校では、コロナ前まで修学旅行中に札幌の専門学校訪問をし、総合の時間でキャリア教育を行っていた。コロナの影響で、訪問先を変更せざるを得なくなり、今年度より“ふるさと教育”として、白老町のウポポイ見学を予定に入れた。教員も誰も訪れたことがなく未知であった。
そうした中、研修回覧板で回ってきたのが、今回の研修案内だった。“SDGs”“多文化共生”と心惹かれるワードに加え、“平取町立二風谷アイヌ文化博物館”での研修が含まれている!!「私のために行われる研修じゃないか!!」と、思い申し込んだ。
「ゴールデンカムイ」という漫画にはまっていて、網走とアイヌのつながりにも興味があったことも大きい。

2.研修を通して

事前研修2回、2泊3日のフィールドワーク…研修の振り返りでも述べさせてもらったように、「自分の人生で一番真面目に取り組んだ」研修となった。新しい知識を得ることの楽しさ、コロナで引きこもっていた生活が一変し、仲間と共に活動できる喜び、すべてが新鮮だった。
そして何より、超機械音痴で機械に触れることを避け続けてきた人生だったが、今回の研修でオンラインで研修を受けたり、Googleドライブを使ってスタッフの方とやりとりできたことが奇跡に思える。この機会がなかったら、絶対に前向きに取り組めなかったと思う。

3.授業実践をふりかえって

本当に楽しく授業に取り組むことができた。たった1時間の授業にこんなにも時間をかけて悩み、たくさんのアドバイスをいただきながら改善したことがなかったので、自信を持って授業に臨むことができた。生徒の反応もよく、自分が研修で学んだことを伝えられたと思う。そして、私の授業をきっかけに生徒が意欲的に自主研修に臨み、事後のまとめ学習まで生かすことができていたと思う。

【画像】

授業に、クイズ作成を取り入れた

4.今後のビジョンについて(学びえたこと、作成した指導案をどのように活用していくか)

今後、網走一中ではウポポイへの自主研修が続いていく予定である。今回の指導案やパワーポイント資料などのデータを残すことはもちろん、私が3年生の担当でなくても、私が実践した授業をどの教員でも使えるよう改良していきたい。

5.アドバイザーからのコメント(モニタリングを実施してのアドバイザーからの感想)

本授業は、梶野先生が、習いたてのアイヌ語で生徒たちに話しかけることから始まりました。先生は何を伝えようとしているのだろうと生徒たちが関心をもったところで、二風谷アイヌ文化博物館で撮影した梶野先生がトンコリ(アイヌ民族の楽器)を弾いている写真や丸木舟(展示物)に乗って微笑んでいる写真を提示していました。このような取組を通じて、生徒たちはアイヌ文化をより身近に感じることができたと推察します。このこと(教師自ら~する)は、教材を作成する上で重要な視点だといえるでしょう。また、ウポポイ見学に向けて、調べ学習だけではなく、クイズを作成し発表する活動を取り入れていました。グループごとにクイズを出す範囲やテーマを決めて取り組ませたことにより、楽しいだけの活動ではなく、深い学びにつながる有意義な活動になったと思います。さらに、下級生に向けての修学旅行報告会では、すべてのグループがクイズ形式で発表したというお話を聞きました。本実践はアイヌ学習だけではなくコミュニケーション力も育成できたと思います。

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