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2023年度教師海外研修(キルギス) 授業実践【国際情報高校/上川高校】

札幌国際情報高校、上川高校の授業モニタリングに行ってきました!

教師海外研修とは、開発教育/国際理解教育の実践と推進に意欲のある小中高校と特別支援学校の先生が、JICAが支援する開発途上国に赴き、現地で得た知見を活かして教材を作り、日本国内での授業実践を行う研修です。 コロナ禍で2年間国内研修として実施していましたが、2023年度はキルギスで現地研修を行いました。今回は、全研修を終えた北海道札幌国際情報高等学校と北海道上川高等学校の先生が所属校で行った授業の様子をお届けします。

北海道札幌国際情報高等学校 依田幸子先生

2024年1月15日(月)、キルギスを題材にした授業実践が北海道札幌国際情報高等学校で行われました。授業を担当したのは依田幸子先生です。依田先生はロシア語が堪能で、現地でも通訳なしで、ご自身で色々な方にインタビューされていたのが印象的でした。

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3コマ連続の授業では、まず「中央アジアを知る」活動から始まります。高校生を事前に6つのグループに分かれており「カザフスタン」「トルクメニスタン」「タジキスタン」「キルギス」「ウズベキスタン」の中央アジア5か国と「シベリア抑留」について各グループで調べたことを発表してもらいました。

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発表の後は、実際にキルギスに行かれた依田先生が用意した「旧ソ連地図パズル」や「キルギスで人気の名前ランキング」の活動で盛り上がりました。キルギスで大人気のお菓子「クルート」の実食では、生徒のみんな予想していなかった味だった様子…。「どうしてこのお菓子がキルギスに根付いたと思う?」と、食材を通してキルギスを学びました。

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依田先生がキルギスでたくさん撮影された写真を見て、「イスラム教が多い国なのに、クリスマスツリーがある!」「食事は中華料理っぽい」など、気になったことを発言する生徒たち。「キルギスはGDPを見ると数値が低くて貧しそうに見えるけど、現地のキルギス人はみんな幸せそうに見えた」と依田先生は、数字ではわからない現地の様子を伝えていました。

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北海道上川高等学校 大須田翼先生

2024年2月28日(水)、北海道上川高等学校にて授業が行われました。担当したのは大須田翼先生です。大須田先生は英語の先生で、4時間分の授業をキルギスについて展開していきます。今回は1時間目の「日本の文化とキルギスの文化を比較して共通点や相違点について考える」授業のモニタリングをさせていただきました。

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まず、キルギスの民族衣装と帽子をかぶって大須田先生が登場!生徒たちは、いつもと違う先生の格好に興味津々です。キルギスの動画を観ながら、生徒たちは各々にキルギスがどんな国かイメージを膨らませたところで、4~5人がグループになり「ピクチャーマッチングゲーム」がスタート。生徒たちは、どんどん日本とキルギスの写真が載っているカードのペアを作っていきます。思った以上に日本とキルギスが似ていて、特に文様の写真のカードでは、どちらがアイヌでどちらがキルギスなのか迷っていました。このゲームを通して、どうしてこのような共通点があるのか、その背景にある歴史を見出していきます。

続いて、6つのカテゴリー(食べ物、交通、文化、学校、地理、慣習)別のクイズがスタート。回答はグループの代表が「True(真実)」か「False(嘘)」のボードを掲げます。正解した生徒が全身で喜びを表現していたのが印象的でした!次に、4択のクイズに進みます。「キルギス人は週末の買い出しで豚肉を何キロ買う?」という問題の正解が「10㎏(現地で行ったインタビューの回答)」で驚く生徒たち。買い物の仕方を通して生活習慣の違いについて学ぶ場になっていました。クイズの正答に対する素直な反応で、キルギスをもっと知りたいという生徒の気持ちが伝わってきました。

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本来、授業実践→成果報告会の流れで本研修を進めるのですが、行事の関係で、本授業は成果報告会後に実施されました。成果報告会で、参加者のみなさんからいただいたコメントを、早速授業に取り入れていた大須田先生。授業は人に見てもらうことで、味わい深く熟成されていくのを感じました。生徒たちがキルギスに興味をもち、夢中になって授業に参加していたのが心に残った授業でした。

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依田先生、大須田先生ありがとうございました!

モニタリングでは、積極的に発言する生徒たち身近で見られました。依田先生、大須田先生、キルギスを題材とした素敵な授業をどうもありがとうござます。今後、何度も授業を実践していただき、より磨きのかかった授業となることが楽しみです。