北海道コンサドーレ札幌サポーター皆様からのグッズ寄贈! <現地から喜びの声、第1弾>

2020年2月18日

JICAブースには、サポーターの行列が!

2019年9月14日に行われた厚別競技場での公式戦で、北海道コンサドーレ札幌(以下、「コンサドーレ」)のサポーター皆様から中古のサッカーグッズを集めさせていただきました。JICAが責任を持ってお預かりして開発途上国の現場にお届けするという1日限りの企画でしたが、趣旨に賛同くださった方々からたくさんのグッズが集まりました。その数なんと、合計で186点!(サッカーユニフォーム175点、ボール9点、キーパーグローブ2点)

リクエストのあった8ヵ国を対象に12月から発送したところ、現地から続々と喜びの声が届き始めました。まずは東アジアのモンゴルと、中央アジアのキルギスをご紹介します!

【1.モンゴル】モンゴルでもサッカーは人気!

サッカー部の顧問の先生とともに生徒に対し、ワールドカップ(2022年カタール大会)二次予選のモンゴル代表の戦歴について紹介する様子

冬が長く、ときにマイナス30℃を下回るほど厳しい寒さのモンゴルでは、バレーボールやバスケットボールなど室内スポーツが盛んですが、もちろんサッカーのファンもたくさんいます! テレビではヨーロッパの主要国リーグの試合がたくさん放送されていますし、W杯の期間にはレストランの大画面テレビに映し出される試合にくぎ付けになっている人をたくさん見かけます。また、10チームからなるモンゴルのサッカー・トップリーグも行われており、複数の日本人選手が在籍しています。2022年カタールW杯のアジア第2次予選では、モンゴルは日本と同じグループFに入っています。残念ながら勝ち点3で現在最下位(2020年1月時点)ですが、昨年10月に埼玉で行われた日本戦では、首都ウランバートルでパブリックビューイングが行われ、会場定員いっぱいの約500人の観客がつめかけ、試合を楽しみました。

青年海外協力隊が活動する学校へユニフォームを届けました

贈呈式に参加した生徒および職員との集合写真

今回の贈呈式でユニフォームを受け取った特別支援学級の先生と。私の活動先である「ダルハンオール12番学校」の12の数字が入っていることにとても喜んでいました!

もらったユニフォームを持って一人ずつ記念撮影!このユニフォームにはサインも書かれていて、「なんて書いてあるの?」と見慣れない日本語にも興味を持ってくれました。

今回、代表してユニフォームを受け取った特別支援学級の生徒と記念撮影!

ドルノド県はモンゴルの最も東に位置しており、「ドルノド県第1学校」のあるチョイバルサンは、首都ウランバートルから約650km、車で10時間程かかります。この学校は1,500名以上が通う12年制の小中高一貫校で、青年海外協力隊の浦田悠理子さん(体育、2018年度1次隊、大阪府出身)は、児童が個々の能力を伸ばすことの出来る指導が継続的に行われるよう、日々同僚体育教員と共に授業に取り組んでいます。

12月11日に現地で行われた贈呈式では、中学部ナラー教頭同席のもと、浦田隊員からサッカー部員に5着のユニフォームが手渡されました。また、集まった6~10年生(日本の小学6年生~高校1年生)に対し、コンサドーレの紹介や、ここまでのサッカーモンゴル代表のW杯二次予選の振り返り、世界で活躍するモンゴル人スポーツ選手の紹介などが浦田隊員から行われ、「する」だけでなく、「見る」「知る」「支える(育てる)」スポーツというものがあること、あきらめずに努力すれば自身も国の代表選手になる可能性があることが伝えられました。サッカー部の生徒たちは、「かっこいいユニフォームなので、着て練習するのが楽しみ」と嬉しそうに話していました。


翌週12月18日には、田中玖実隊員(障害児・者支援、2019年度1次隊、北海道出身)が活動するダルハン・オール県ダルハンにある「第12学校」の特別支援学級でもユニフォームの贈呈式が行われました。ダルハンは首都ウランバートル市から約220km北にある、ロシアとの国境からも程近い街です。ここも12年制の小中高一貫校ですが、モンゴルではまだ珍しい特別支援学級が開設されています。特別支援学級には、スペシャルオリンピックスに参加している児童がおり、サッカーの大会が近付いてくると、先生と共に一生懸命練習に励んでいます。今回寄贈していただいたユニフォームにあるコンサドーレのサポーターナンバー「12」は、学校の名前と同じということで、とても親しみを感じて喜ぶ児童の姿が見られました。


TOKYO2020の開幕まであと4ヶ月。今回のコンサドーレからのユニフォーム寄贈で、生徒たちはサッカーを始めとしたスポーツにさらに関心を持ち、オリンピックやパラリンピックをもっと楽しんでくれるでしょう。コンサドーレからの寄贈に感謝いたします。

(文責:JICAモンゴル事務所 亀田春雄(元青年海外協力隊、モンゴル、日本語教師))

【2.キルギス】成長著しいキルギスのサッカー

2019年11月14日に行われた日本代表対キルギス代表のワールドカップ2次予選の模様は、日本でもTV中継され、日本の皆さんにもキルギスサッカーの実力を感じて頂けたのではないでしょうか。キルギスは、サッカー代表チームがUAEで開催された2019年AFCアジアカップでベスト16となり、人気、実力ともに急成長の真っ只中にあります。首都ビシュケクで代表戦が行われる際には、車両交通規制が必要なほど、観客がスタジアムにつめかけます。
街角には、人工芝のフットサルコートが点在し、子供から大人まで、広い世代にわたり、サッカーを楽しむ姿を見ることができます。

キルギスサッカー連盟にてジュニアチームにユニフォーム10着、ボール1個を寄贈

寄贈されたユニフォームに袖を通した子供達と(左端が乗松企画調査員、右端が二瓶氏)

早速ボールの感触を確認する子供達

2019年12月24日、キルギスサッカー連盟傘下のサッカークラブの少年少女に、北海道コンサドーレ札幌サポーターからのプレゼントを贈呈しました。JICAキルギス事務所乗松一久企画調査員から手渡したのは、ユニフォーム10着とサッカーボール1個。ワールドカップ2次予選で日本と同じグループになっているキルギスでは、日本はサッカー強豪国として認識されており、ヨーロッパで活躍する日本人選手を知っている子供達も少なくありません。また、キルギス代表の中にも、海外のクラブチームに挑戦する選手がおり、今回、ユニフォームを受け取った子供のなかには、将来、日本のプロチームで活躍したいという子もいました。一方で、子供達が実際に海外のプロチームを身近に感じる機会はほとんど無いというのが現状です。

今回のキルギスサッカー連盟への贈呈を仲介したのは、現地でスポーツ振興などに取り組むNGOグローバルナレッジ。このNGOでは、スポーツ交流を通じた新世代を担うキルギスの若者が世界と触れて成長し、社会の発展に寄与することを目的に活動しています。二瓶直樹代表は「2020年は東京オリンピックも控えており、日本とキルギスとのスポーツ交流は一層盛んになるだろう」と今後への期待を示しました。

贈呈後、まだ雪の残る人工芝グラウンドで、プレゼントされたレプリカユニフォームとサッカーボールを使い、早速、パス練習する姿が見られました。サッカークラブのアサノフ・ヌルベックコーチも「ユニフォームを通して、子供達は、海外のプロチームを具体的に意識できるようになり、モチベーションを高めることができるようになる」と日本からのプレゼントに喜んでいました。将来、この子たちの中から、キルギス代表として日本代表と対戦したり、日本のクラブチームに挑戦する選手が出てくる日が来るかもしれません。

                 (文責:JICAキルギス事務所 池田 大行)