今年度初の出前講座 ~青年海外協力隊の体験談を子どもたちに~

2020年8月18日

6月30日、石狩市立緑苑台小学校にてJICA国際協力出前講座が行われました。新型コロナウィルスに関わる休校期間は明けたものの、体育館で1クラス1時間という形式で行い、距離を保ち、窓やドアを開けて「三密」を回避する工夫がなされた中での実施となりました。

今回の講師はホンジュラスで活動していた元隊員

カラフルな民族衣装とスペイン語の挨拶で登場

「オッラ~!」の挨拶から始まった今回の講座。フリルのついた真っ赤な民族衣装のドレスを身に着けて登場したのは、中米にあるホンジュラス共和国で小学校教育の分野で活動してきた土方綾さんです。民族衣装姿の土方さんに「かわいい~!」「キレイ!」と絶賛の声。児童はホンジュラスについてのクイズ(地理的なものや食べ物、学校生活に纏わるものなど)に元気に答えたり、主食のトルティーヤを作る際に生地をのばす道具を実際に手に取って使い方を確かめてみたり、ホンジュラスの文化に興味深く聞き入っていました。小学校5年生の時に韓国にホームステイした時の苦い経験を振り返り、その時泣いてばかりいて自分から行動を起こそうとしなかった自分の弱さを克服するために青年海外協力隊に参加したと話す土方さん。児童たちは自分と同じ年頃の土方さんの経験話に真剣な眼差しで聞き入っていました。

伝えたいメッセージは...「失敗を前進する力に」

土方さんの話に聞き入る児童

後半は、ホンジュラスでの活動についてのお話。現地の小学校の先生に算数の教授法を伝えるも、なかなかうまくいかない毎日...。どうしたら協力してもらえるか考えた末、「仲良くなることが大切だ」と気づいた土方さん。コミュニケーションで大切なのは言葉だけではなく、自分から行動を起こすこと。パーティに参加したり、一緒に温泉に行ったり...。積極的に現地の先生方と交流を深めることによって自分の思いを理解してもらえるようになったと話す土方さん。小学校5年生の時の悔しさや協力隊員として活動した際の苦悩。それらの経験から自分なりの答えを見つけ出し、実行してみる。「失敗を失敗で終わらせない」。そんな土方さんの言葉に勇気づけられたように瞳輝く児童たちの姿が印象的でした。

講座を終えて

児童たちは、事前にホンジュラスについて学習していましたが、実際にホンジュラスで活動していた土方さんの話には熱心にメモを取りながら聞き入っていました。「日本人の土方さんが、ホンジュラスで暮らして一番驚いたことは何ですか」など、そこで生活した人にしか答えられない素晴らしい質問も。ホンジュラスの文化を知り、土方さんの生き方に触れ、より世界に興味を持つことができたのではないでしょうか。緑苑台小学校6年生のみなさんの今後のご活躍を応援しています。
※国際協力出前講座とは、開発途上国で活動してきたJICA海外協力隊員やJICA職員を講師として派遣し、活動していた国のことや、生活事情など現地の様子を聞くことで国際協力について考える講座です。