サッカー×海外協力隊 コンサドーレグッズが繋ぐ途上国との絆<連載第4回・最終回>

2020年8月19日

2019年9月14日にコンサドーレ札幌のサポーターからお預かりした186点もの中古のサッカーグッズが、海を越えてJICAボランティアの活動する8ヵ国に贈呈されました。これまでモンゴル、キルギス、マラウイ、ザンビア、ケニアの様子をご紹介してきましたが、残るサモア、ウガンダ、アルゼンチンの3ヵ国のJICAボランティアが届けてくれた感謝の言葉を紹介します。
彼らが参加した「世界の笑顔のために」プログラムが、形を変えて今年度も復活しました。「もの」を送って途上国をサポートしたいあなた、必見です!(9月11日(金)まで)

サモアサッカー連盟にサッカーボール3個とゴールキーパーグローブ1点を!

【画像】この度は「世界の笑顔のために」プログラムを通し、サッカーボール3個とゴールキーパーグローブ1点を寄贈していただき、ありがとうございました。私は青年海外協力隊としてサモアサッカー連盟(Football Federation Samoa)で活動している杉山僚範です。
頂いたボールをサモアサッカー連盟に引き渡しました。さっそくサッカー教室を中心に使用させていただいています。サモアでしっかりとしたサッカーボールを手に入れることが難しく、サッカーボールを持っている子供はほとんどいません。サモアサッカー連盟でもこれまではボールの数が足りず、トレーニングメニューが制限されてしまったり、子供一人一人がボールに触れる時間が短くなってしまったり、といった問題がありました。しかし、たくさんのボールが届いたおかげでそれらの問題が解消され、子供たちも以前にも増してサッカーを楽しんでいるようです。今後もグラスルーツプログラムを中心としたサモアサッカー連盟の様々な活動で、頂いた貴重なボールを大事に活用させていただく予定です。
(2020年2月、平成30年度3次隊 サモア サッカー職種 杉山 僚範(神奈川県出身))

ウガンダのクライストタワーズ小学校には、ユニフォーム93着、ボール5個、キーパーグローブ1点を!

【画像】クライストタワーズ小学校は、生徒数200人程で、元公立学校の教師兼農家であったリチャードが校長先生として勤めている私立小学校です。アフリカの多くの国々でもそうであるように、ここウガンダでも教育費を払えなくなった家庭の生徒が途中で学校を辞めざるを得ない状況に立たされることが多くあります。生徒の意思に関わらず、学校で学ぶ機会を奪われる環境は変えなければならないと考えたリチャードは、自らの農業で得た収入に先代のボランティアの方々の協力も得ることで、公立学校よりも低い授業料を設定したこの学校の設立に至りました。私自身のメインの活動は稲作農家の所得向上でありましたが、活動が軌道に乗り、少しずつ余裕が出てきた時にサッカーの授業をしてほしいとのお願いがありました 。

子どもたちは本当にサッカーが大好きで、今回ご寄付いただいたことで地域リーグに参加し、そこでの試合を通して教員と生徒が成長するという同じ目標を共有することができました。まだまだ教え始めたばかりだったのですが、いつか日本に行ってサッカーがしたい、日本人の友達が欲しい、といったような言葉が聞けたときはとても幸せでした。本来であれば、4月半ば、もしくは5月頭にユニフォームの贈呈式を兼ねたイベントを開催する予定ではありましたが、コロナウイルスの影響で急遽一時帰国となったため、直接渡すことができぬまま一時帰国することになってしまいました。現在、ウガンダでは厳しい対策が取られており学校も休校状態となっています。娯楽の少ないウガンダでは、家庭で時間を持て余している子どもたちも多くいると思いますが、再びみんなとサッカーができる日を楽しみに辛抱してくれている生徒は必ずいます。私自身、今回の「世界の笑顔のために」プログラムを通じて、ボール一つでみんなを笑顔にして夢中にさせることのできるサッカーの魅力に改めて気付かされました。 今は、日本でコロナウイルスが終息することを祈りながら、再び生徒たちと一緒にサッカーができる日を信じています。最後にはなりますが、改めまして、今回、このような機会をいただき本当にありがとうございました。ウガンダに戻った際は、またユニフォーム姿の生徒たちがプレーしている写真を送らせていただければと思っています。
(2020年3月、平成30年度2次隊 ウガンダ コミュニティ開発職種 岡村 舜一(福岡県出身))

アルゼンチンの特別支援学校にコンサドーレユニフォーム11着を!

【画像】私はJICA シニアボランティアとして2019 年4 月から南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの近くの町、アエドに派遣されています、伊藤由香子と申します。この度は、「世界の笑顔のためにプログラム」でサッカーユニフォームをご寄贈いただきまして、本当に有難うございました。私の配属先は教会が設立したラスパンティ特別支援学校で、10歳から25歳の、障がいを持った児童生徒50 名ほどが在籍しています。ほとんどの生徒がダウン症という知的障がいの子どもたちで、年齢差はありますがみんなが1つの家族のように仲良く、明るい笑顔で学校生活を送っています。
私はここで、子供たちが楽しく自己表現できるような授業をしているのですが、ここには十分な教材がなく、「子供たちに使ってほしい!」と思って、寄贈をお願いした次第です。
この度寄贈いただきましたサッカーユニフォームに、校長をはじめ、学校の職員、生徒全員がみんなとても喜んでおります。
厳しい現状ですが、自分で自分の身を守って、コロナに負けず、一日も早くみんなでコロナウィルスを撃退しましょう。皆様のご健康とご活躍をお祈りしております。¡Muchas Gracias! 有難うございました!
(2020年3月、平成30年度4次隊 アルゼンチン障害児・者支援職種 伊藤 由香子(香川県出身))

取材後記

今回取り上げた3名は、現地からのレポートをカラフルな写真入りでとても丁寧に書いてくれています。是非、全文を本ページ下の「関連ファイル」からダウンロードしてお読みください。それぞれの国の様子が鮮やかに目に浮かんできますよ!
新型コロナウイルスの影響でJICAボランティア全員が一時帰国となり、現地で過ごすはずだった2年間が予期せず中断。それでも前を向こうと、残された任期を国内で活動しながら過ごす人、再派遣に備えて残りの任期を取っておく人、それぞれの選択をして国内それぞれの地で「今」を生きています。ボランティアたちの今後の活躍を是非応援ください。

そして、コンサドーレグッズを届けた「世界の笑顔のために」プログラムが、今年度も復活しました。JICAボランティアたちが活動していた地域に、皆様から集めたグッズをお届けします。国内の倉庫までの送料はご自身でご負担いただきますが、その後、現地までは責任を持ってJICAがお届けします。
スポーツ用品、楽器、教材・書籍、文化、福祉用具などを募集しています。まずは以下関連リンクの「募集物品一覧」をチェック。参加を希望する方は、「参加申込書」を【9月11日(金)まで】に送付ください。
「もの」を届けるプログラムで、あなたも世界とつながってみませんか?

(文責:JICA北海道 野吾奈穂子)