北広島市西部中学校でJICA国際協力出前講座を実施しました

2020年12月22日

11月2日、北広島市立西部中学校にてJICA国際協力出前講座が行われました。1・2年生は教室に配信し、3年生は体育館(対面形式)で行い、離れた場所でも同時に全校生徒が参加できる工夫がなされた中での実施となりました。

テーマは... 「防災×SDGs」

クイズ!アフリカ(ケニア)出身の著名人はだれ?

今回の講師は、青年海外協力隊として1980年代にケニアで農業土木の分野で活動されてきた立石喜裕さんです。アフリカを支援するためのチャリティー活動『We Are The World』の曲が作られたまさにその当時、干ばつに見舞われ作物が育たないケニアを茶色から緑色の大地にすることを目標に通水(農地までの用水を供給するシステム)活動に取り組んできたそうです。SDGs11番「住み続けられるまちづくりを」に関連させ、住みやすい町づくり(防災に強い町)にするにはどうしたらよいのかを自身の活動を通してお話してくださいました。「干ばつによって作物が収穫できないことは『天災』か『人災』か」や「食料1㎏の生産に必要な水の量」、「某有名なペットボトルのお茶が1本200円なら原料はその500倍」というお話に生徒たちは真剣に聞き入っていました。

災害大国、日本に住む者として

後半は、東日本大震災や胆振東部地震、南富良野町の洪水など日本の災害事例を挙げ、支援団体の種類や支援方法などについて説明してくださいました。東日本大震災の時に現地で救助活動に当たった青年海外協力隊OGがそのまま大船渡市に住み、看護師として支援を継続していること、土砂にまみれた写真を復元できるようにきれいに洗うボランティアがあったこと...。
「最も大切なことは、『今困っている人のために動くこと。日常から周囲に気を配ること』。これこそがボランティアの原点です」とメッセージを送る立石さん。国際協力という大規模なことだけが支援ではなく、身近な日常の中でできることに気づき、それを実行することこそが「住みやすい町づくり」の第一歩だと教えてくださいました。
※北海道にも多くの市民が関わる国際協力活動を行うNGOがあります。身近に関わることが出来る国際協力のきっかけ作りとして、「北海道NGOネットワーク協議会」のHP(https://www.hk-ngo.net/)やフェイスブックをご覧いただき各団体の活動等ご参考ください。

講座を終えて ~北広島市立西部中学校の実践~

世界の民芸品

1年生が取り組んだSDGs新聞

世界の子どもたち(写真)

出前講座の後、校内を見学させていただきました。廊下の掲示板や壁に国際理解教育に関するヒント(写真・民芸品)やSDGsに関する学習の様子がわかる掲示物がいっぱい。配布教材だけではなく、日常生活でさりげなく自然と目に入る環境作りって素敵ですね。


※国際協力出前講座とは、開発途上国で活動してきたJICA海外協力隊員やJICA職員を講師として派遣し、活動していた国のことや、生活事情など現地の様子を聞くことで国際協力について考える講座です。