【報告】JICA海外協力隊トーク「聞いてみよう! 日本語教師のシゴト、帰国後のキャリア」

2021年11月19日

集合写真

11月13日(土)、オンラインにてJICA海外協力隊トーク「聞いてみよう! 日本語教師のシゴト、帰国後のキャリア」を実施しました。

日本語教師として活動した海外協力隊経験者3名が登壇

講師:沢井さん

講師:中村さん

講師は沢井孝介さん(ウズベキスタン)、中村佳子さん(インドネシア)、そして清水孝さん(中国)の3名。活動紹介の中では、それぞれの国の文化にまつわるクイズも出題され、大いに盛り上がりました。
講師の沢井さん出題のウズベキスタン・クイズでは、「あるメッセージを伝える為に、息子が父親の靴の中にニンジンを入れる」という習慣について取り上げてもらいました。そのメッセージとはなんと…「結婚したい相手ができた」!
現地の人々と同じ生活をするなかで相互理解を図ってきた、協力隊員ならではのお話を聞くことができました。

続いて実施したパネルトークでは、自身も日本語教師としてブラジルに派遣された経験を持つ旭川デスク・薮推進員が進行しました。なかでも反響があったのは、各講師から共有された「日本語教師あるある」です。
講師の中村さんからは、「生徒の方が日本のサブカルチャーに詳しく、インドネシアの学生から日本のミュージシャンを教えてもらい、帰国後にライブに行くほど好きになった」とのこと。そのほか「日本好きが高じて茶室を作った外国人がいる」と共有してくれた参加者もいるなど、日本の文化が世界で注目されていることをあらためて感じたひとときでした。

キャリアの原点となる海外協力隊としての経験

講師:清水さん

イベントの後半では、ブレイクアウトルームに分かれ、参加者が講師に直接質問する時間を設けました。日本語教師を目指す方や、国際協力に関心を持つ学生の方も参加しており、多数の質問が各講師へ寄せられたようです。派遣国から帰国したのち、日本においても経験を生かして活躍する講師らのお話は、参加者がキャリアパスを描く上でも大いに参考となったことでしょう。
講師の清水さんは、協力隊派遣時の他にも長年の日本語指導経験を有し、現在は国内で活動されています。そんな清水さんが語ってくれた、派遣国での「心に残ったエピソード」には大きな反響がありましたので、ご紹介します。
「中国語は発音が難しい。現地の食堂でメニューを注文しても自分の中国語を聞き取ってもらえず、唯一通じたのは餃子。しかたなく毎日餃子を注文していた私を見かねて、お店の人が手を引いて厨房まで連れて行き、『食べたいものを指差しなさい』と言ってくれた。それが本当にうれしかった。」

了後、参加者の皆様よりたくさんの感想を頂戴しました。「日本語教育に携わった協力隊経験者から貴重な話を聞けた」「登壇者の皆様と現地の方との心温まる触れ合いエピソードが印象的」「年代や地域様々な経験者の方のお話を聞き、JICA海外協力隊の日本語教育要請についてイメージが膨らんだ」、そして「帰国後のキャリアについても教えていただけて、参考になった」等々。

日本に住む外国籍住民が増加傾向にある近年、日本語教師の仕事は注目が高まっています。JICA北海道はこれからも、海外協力隊をはじめとした国際協力や、多文化共生についても、多くの皆様に知っていただくためのイベントを実施して参ります。