研修員向けに地域理解プログラムを実施しました!

2021年10月7日

参加した研修員たち

2021年10月2日と3日にアイヌ文化への理解を深めるため地域理解プログラムを実施し、阿寒湖畔・平取町へ2カ所へ訪問しました。参加者は北海道大学で研究に取り組む長期研修員16名です。
JICAでは、開発途上国から国造りの担い手となる人材(行政官や技術者など)を日本に受入れ、研修等の実施を通じて将来のリーダーとなるような人材育成や課題解決に向けた開発途上国の自助努力を支援する事業を実施しています。

1日目、阿寒湖畔にて

森に映るアイヌの物語

本プログラムでは、北海道大学アイヌ・先住民研究センターの北原次郎太モコットゥナㇱ准教授より「ヤウンモシリ(北海道)を知る」、札幌大学の本田優子教授より「アイヌ民族の歴史と文化」の2つの事前講座を受講したのち訪問を行いました。1日目の阿寒湖畔では「カムイルミナ」・阿寒湖アイヌシアターでは「ロストカムイ」の2つのアクティビティに参加しました。

カムイルミナに参加する様子

「カムイルミナ」では湖畔の森を歩きながら、プロジェクションマッピングと音楽を通じて阿寒湖に伝わるアイヌの物語を体感しました。「ロストカムイ」では、アイヌと絶滅したエゾオオカミのストーリーを現代舞踊・古式舞踊・デジタルアートの3つを通じて学びました。
アクティビティに参加した研修員からは「自然と人間の共存の重要性は自分の国にも当てはまる大切なことで自国にも活かせる学びとなった」「音と光で直感で楽しんでアイヌ文化を学ぶことができた」などの声が聞こえました。

2日目、平取町にて

小熊のエサ皿に関心を向ける姿

2日目は平取町に移動し、二風谷アイヌ文化博物館を訪問しました。博物館ではアイヌ文化にまつわる展示品を「自分の国にも似たようなものがある」といった風に親近感を感じていたり、「小熊を育てる儀式には驚いた」など、共通点や違いを含めてアイヌ文化に強い興味を示していました。

貝澤守先生のレクチャー

工芸体験では、アイヌ文様の木彫りコースターを制作しました。細かい作業に苦戦し「難しい!」という声も多く聞こえましたが、ラムラムノカ(ウロコの文様)の彫りに集中している姿が印象的でした。作品に自分のサインを彫るなどして、世界に1つだけのコースターを完成させました。
2日間のプログラムを通じて、研修員たちは先住民族やアイヌ文化への理解を深めると同時に関心を高めました。