出会いに感謝!

【写真】田北(旧姓:村上)奈々美 (徳島県)2017年度2次隊/パラグアイ/看護師
田北(旧姓:村上)奈々美 (徳島県)

国際協力に興味を持ったきっかけ

小学生と一緒に阿波踊り!

 中学生の時にたまたま見ていたドキュメンタリー番組から、世界には自分と同じくらいの子が家族と生きていく為に、学校にも行けず働かなければならない現状があるということ知り、大きな衝撃を受けたことがきっかけでした。その時から漠然と「発展途上国の人々のために何かしたい」と考えるようになり、高校時代に「看護師になって医療の面から関わろう」ということを決めました。
そして、看護師として約4年間外科病棟に勤務した後、青年海外協力隊員としてパラグアイに赴任しました。合格した時の喜びは今でも覚えています。

たくさんの出会いが、活動を充実させてくれた

診療所の前で。他の隊員や同僚と一緒に健康教育を行いました

先輩隊員の任地で学生に看護技術指導を行いました。

手洗い授業の後にみんなで集合写真

高血圧・糖尿病患者クラブにて、参加者と体操を行っている様子。

●職場での取り組み
 私が配属されたのは、人口約3,000人の農村地域を管轄する一次医療機関です。そこには、医師1人、看護師3人、歯科医師1~2人が配置されており、週に3日外来診療を行い、週2日は巡回診療や地域での啓発活動を行っていました。2年間の活動で、(1)生活習慣病患者への保健指導、(2)妊婦教室の運営支援、(3)幼稚園や学校での保健指導の実施に主に取り組みました。この中でも特に、(1)に重点を置いて活動をしていました。
 配属先では以前から、高血圧と糖尿病の患者を対象とする「生活習慣病クラブ」を月に1回実施していました。「せっかくある取り組みを活かそう!」と思い、参加者集めの工夫を考えたり、内容を充実させたり(例えば手書きのポスターやスライド、さらに動画教材を活用する、体操やクイズ、塩・砂糖・野菜の量の測定といったアクティビティを取り入れるなど)することを考えました。
 活動初期の頃は、ボランティアである私が率先しすぎて、同僚から「クラブ運営はナナミがしてくれる」という意識を持たれてしまったように思います。私がいなくても活動が続いてほしいという思いから、ポスターの説明を同僚にお願いしたり、アクティビティを一緒にやってもらったりしたことで、少しずつ「一緒にやる、自分たちがやる」という感覚を持ってもらったように思います。もともと私がやりたいと思うことには賛成してくれたり、意見をくれたりする積極的な同僚たちだったので、2年間彼らと活動できたことは本当にありがたいことでした。

●地域での活動
 職場での活動時間とは別に、地域の人々を対象にダイエット教室も企画・実施していました。最初は本当に人が集まらず、同僚に意見をもらって途中から「ZUMBA教室」を行うことに決めました。
 しかし、これもなかなか人が集まらず、「どうしようかな~」と思いながら、近所をウォーキングしていたら、「日本のボランティアでしょ?私ダイエット中なのよ、一緒に歩かない?」と、ある女性が声をかけてきてくれました。歩きながら「ZUMBA教室してるんだけどなかなか人が集まらんだよね~」と話したら「ぜひやりたい!友達にも声をかけるわ!」と、彼女との出会いから少しずつ活動が軌道に乗っていきました。まさに、出会いは宝だな、と思った経験でした。

経験を活かしていきたい

高血圧・糖尿病患者クラブにて、糖尿病の合併症体験を実施しました

市場で自分のあだ名と同じ名前のお店を見つけて喜んでいるところです♪

 もともと病院での勤務経験しかありませんでしたが、パラグアイにて地域で働く楽しさを知り、「日本でももっと地域に近いところで働きたい・関わりたい」と思うようになりました。
 帰国後、色々な縁がつながり、今は母校の大学で特任教員をさせていただいています。新しい環境の中で自分自身も学び、改めて2年間のボランティア経験を振り返る機会にもなっています。
 これからもその時々の出会い、その中で生まれる経験を大切にしながら、感謝を忘れず邁進していきたいと思っています。