【草の根技術協力事業】インドネシア・パプア州農業局長らが来日し山形県を訪問しました

2023年2月21日

 JICA草の根技術協力事業「パプア州農業普及員の普及能力向上と住民組織化による農業技術改善プロジェクト~山形パプア明るい農村プロジェクト~」では、インドネシア・パプア州の農業普及員の能力向上及び農家の組織化・協働により、農家から農家への農業技術普及を促進し、農家の生活水準向上に取り組んでいます。

インドネシア・パプア州との関係について

 事業提案自治体の山形県は、インドネシア・パプア州と1994年に姉妹県州の盟約を結んでから2024年に30周年を迎えます。この間、山形県とパプア州は、様々な国際交流事業、日本語学習支援や青年交流を実施しています。また、2010年のJICA草の根技術協力事業を始まりとして、これまで3度、JICAと共にパプア州で農業技術支援事業を実施してきました。

2022年6月、第4回目の草の根協力事業を開始!

事業実施サイトでたい肥作りに挑戦中

 山形県とJICA東北は、2010年から2012年に「水稲種子生産技術確立事業」を、2013年から2016年に「水稲栽培技術向上支援事業」を、さらに、2017年から2019年に「大豆栽培技術向上支援事業」を実施しました。そして2022年6月から開始した新たなプロジェクト「パプア州農業普及員の普及能力向上と住民組織化による農業技術改善プロジェクト~山形パプア明るい農村プロジェクト~」では、パプア州の州都ジャヤプラ周辺農村部におけるより良い農村社会の実現を目指して、パプア州農業局と協力しながら事業に取り組んでいます。

パプア州の農業局長が来日!

庄内町富樫透町長と握手を交わす農業局長

 事業開始半年後の2022年12月12日、パプア州農業局長を始め事業関係者3名が来日し、山形県を訪問しました。山形県では、山形県農業総合研究センター、園芸農業研究所の協力を得て、農業技術の改善から普及について説明を頂きました。また、米どころである山形県東田川郡庄内町(庄内町国際交流協会)にも協力頂き、農業協同組合「JA余目」や地元農家の圃場、堆肥工場なども見学させて頂きました。パプア州にはJAのような協同組合がないことから、3名は大変興味深く見学していました。また、現地では化学肥料の価格高騰が発生していることから、有機農法や堆肥づくりについても積極的な質問がなされました。

地域や組織で協力する農業を!

山形県議会訪問

 研修後半には、山形県庁と県議会へ表敬訪問を行い、本邦研修の成果報告や、事業の今後についても積極的な議論が交わされました。また農業局長より、山形県による長年にわたる研修員受け入れに感謝の言葉が述べられ、併せて、今回の研修での収穫として、個人の努力だけでなく、地域や組織で協力して農業を営んでいることを目の当たりにして、この学びをパプア州で取り組んで行きたいと抱負が語られました。

 今回の農業局長の訪問により、事業が更に活性化し、地域や組織が協力する農業体系がパプア州で広がることを願っています。

 JICA東北も、事業実施団体と共にパプア州の農業開発に取り組んで参ります。