女性が当たり前にスポーツを楽しむ社会へ!タンザニア女子陸上大会「レディース・ファースト」が3年ぶりに開催

2023.04.06

タンザニア最大都市ダルエスサラームのナショナルスタジアムで今年1月、女子陸上競技会「レディース・ファースト(Ladies First)」の第4回大会が開催されました。トラック競技など計9種目に、国内の女性アスリート約210人が出場。観戦に訪れた小中学生ら約1000人の声援を受けて熱戦を繰り広げました。4月6日は国連が定めた「開発と平和のためのスポーツの国際デー」。これを機にこの大会を振り返ります。

タンザニアでは「スポーツは男性がするもの」という考えが根強く、女性がスポーツに取り組む機会は限られていました。「レディース・ファースト」は、そうした環境や意識を変えるため、スポーツを通じた女性の社会的地位向上やエンパワーメントと選手の発掘・育成を目的に、同国出身の元マラソン選手、ジュマ・イカンガさんが発起人となり、2017年にJICAとタンザニア国家スポーツ評議会が始めた、国内初の女子陸上競技会です。

20年以降のコロナ禍での中断を挟んで3年ぶりに開かれた今大会には、第1回大会の2倍に及ぶ選手が参加。コロナ前から出場している選手が多く、出産を経て競技に復帰した選手も。開催への期待と、女性のスポーツ参画が定着したことを感じられる大会でした。

100、800、5000メートル走や100メートルリレーなどのトラック競技とやり投げを加えた計9種目が実施され、国内30の州から選出された女性アスリートが参加した

競技会場では、ジェンダー平等や女性のエンパワーメントをテーマにしたサイドイベントも催されました。大会前日には選手に向けたエンパワーメントのワークショップを開講。当日は市民参加のジョギングやエアロビクスを開催したほか、ブース出展エリアでは、ヘルスチェックや生理用品の使い方の指導、女性や子供に対する暴力防止への啓発が行われました。また、観客の子供達を対象に、性被害や若年妊娠を防ぐための啓発冊子を配布し、身を護ることの大切さを伝えました。

(左)観客の子どもたちもサイドイベントのエアロビクスに参加(右)大会に参加するコーチや審判にも女性が多く携わっている

100メートル走と200メートル走で優勝したウィンフリーダ・フィリポ・マケンジさんは「村出身の私でもできるということを示せた。大会に参加していない女性たちにも、スポーツをすることを諦めないでと伝えたい」と話します。他にも、「参加選手が増え、ライバルができてやりがいがあった」と競技のレベルアップを歓迎する声が聞かれました。

女性たちが当たり前にスポーツに取り組み、生き生きと活躍できる社会を目指して。レディース・ファーストは、来年以降も開催を予定しています。

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