専門家ブラッシュアップ研修の実践!アフリカ・ナイジェリアでの精米HACCPセミナー開催!

2022年3月11日

2021年12月22日に実施した専門家ブラッシュアップ研修「精米工場における一般衛生管理(HACCP含む)」の内容を活かし、ナイジェリアでHACCPセミナーを開催したとJICA専門家からご報告いただきました。その概要をご紹介します。

専門家ブラッシュアップ研修「精米工場における一般衛生管理(HACCP含む)」の開催

「JICA専門家向けに、精米HACCPに関する研修をしませんか?」

ナイジェリアでJICAの農業開発アドバイザーとして活動する白井専門家(かいはつマネジメント・コンサルティング)からJICA筑波に提案があったのは、2021年3月のことでした。

サブサハラ・アフリカでは、コメの需要が大きく伸びています。しかし、収穫後の処理技術の未熟さなどによる品質の低さから、国産米は需要が低く、市場での安値につながっています。ナイジェリア農業農村開発省は、安心・安全な高品質精米を生産することは、コメのバリューチェーンの向上、ひいては輸入米に対する競争力を上げるうえで重要だと考えていました。

そこで、白井専門家は「日本の精米業における衛生管理、精米所の運営について学ぶことは、ナイジェリアのニーズに合致するだけでなく、他の稲作普及に関わる専門家にとっても役に立つはず」と考え、JICA筑波に提案をしたのです。

このご提案を受け、JICA筑波は、白井専門家と共に、専門家ブラッシュアップ研修「精米工場における一般衛生管理(HACCP含む)」を企画し、2021年12月23日に実施しました。

(注)研修の様子は以下のリンク先をご覧ください。

ナイジェリアでのHACCPセミナー

ブラッシュアップ研修後、白井専門家は、研修の内容を活用し、ナイジェリアでHACCPセミナーを実施。2022年2月21日(月)~23日(水)の3日間、農業農村開発省、ナサラワ州・エボニ州・クワラ州の中堅精米所、農業普及員、食薬品監督庁、ナイジェリア基準機構、環境省州事務所などの職員ら34名が、3州での精米所衛生管理に関する調査結果報告、一般衛生管理、5S、精米所向けHACCPについて学びました。

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農業農村開発省からの開会の辞

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グループ演習の様子

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各自で演習課題に取り組む

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精米所を見学し、衛生状況を確認する

このセミナーは、ナイジェリアの中規模精米所にとって初の衛生管理に関するセミナーでした。精米所の衛生管理を所管する農業農村開発省や環境省の州事務所、籾・精米の品質基準を設定するナイジェリア基準機構の参加者にとっても「精米に特化したHACCP」を初めて知る機会となり、彼らは非常に高い関心を持って積極的に参加したそうです。

白井専門家からのメッセージをご紹介します。
「研修後、食薬品監督庁は、庁内の職員30名を対象に内部研修を実施するとのことです。また、今後、農業農村開発省ではナイジェリアの精米事業所向けのHACCPの制度化や全国の精米所への普及方法や内容について検討を進めていく予定です。専門家ブラッシュアップ研修での学びが、その後の活動につながっています。」

JICA筑波・農業共創ハブでは、専門家・コンサルタントの皆様からの、専門家ブラッシュアップ研修の内容の提案や共同企画を歓迎しております。アイデアがありましたら、ぜひ以下の「お問い合わせ先」にご連絡ください!

お問い合わせ先

JICA筑波 研修業務課
メール:tbicttp@jica.go.jp