【JICA海外協力隊の隊員候補生が語る】今、自分に出来ること~「おやま~る」(栃木県小山市)での経験

2022年1月12日

栃木県小山市市民活動センター「おやま~る」(栃木県小山市)では、2021年4月から、JICA海外協力隊の特別派遣前訓練が行われています。(前回の記事はこちら) 

9月16日からの約3カ月間の訓練に参加したのは、倉島 竹彦さん(ジャマイカ/環境教育)。倉島さんは、12月16日に開催された最終報告会で、「おやま~る」での経験を通して感じたことや自身の変化などを話してくれました。
派遣国への渡航の見通しが立たず、不安な気持ちもある中、「今、自分に出来る事を」と訓練に参加した倉島さん。訓練前と後でどのような変化があったのでしょうか?

「おやま~る」での様々な活動で起こった変化

最終報告会の様子

訓練の拠点となった「おやま~る」では、小山市を中心に、地域の方々(団体・個人)が主体的に地域づくりに参加するため、様々な支援を行っています。倉島さんは、基本業務(施設の窓口・予約対応、情報発信)に加え、広報誌作成のための取材・記事作成、地域団体との合同企画など、自身が主体となった活動を行うことができました。倉島さんは、最終報告会の場で、「(訓練前の)社会人だったときに出来なかったことが経験でき、いろんな角度から物事が見られるようになった」「段取りが予定通りいかなかった」「顔を覚えてもらうことで人間関係を築くよう心掛けた」と、訓練での成果や反省を語りました。

地域団体との合同企画~小山市のおそうじ~

小山市社会福祉協議会の皆さんと

看板はもう1名の訓練生松村さんのお手製!

訓練中、小山駅周辺の吐き捨てガムのゴミ問題に着目していた倉島さんは、海外協力隊としての派遣職種である環境教育分野を活かした「おそうじ企画」を提案。「おやま~る」と小山市社会福祉協議会が連携し、協力することになり、この企画が実現に至りました。社会福祉協議会や「おやま~る」のメンバーと、どの時間帯や曜日に行うか、また地面にこびりついたガムをどのように除去するか、そのためにはどんな道具が必要なのか、など様々な議論を重ね、工夫を凝らし準備を進めました。
より多くの市民の方々が、自分たちの清掃活動に関心をもち、参加してほしい、という想いを持ちながらこの企画を進めた倉島さんは、イベント終了後、「小山市の清掃活動を継続していってほしい」と語りました。訓練終了後も、倉島さんの想いが詰まった共同企画は継続されるそうです

訓練を通じた発見と気づき、そしてこれから

へらを使って道路にこびりついたガムをこそぎ取る様子

倉島さんは、自身の専門分野だけでなく、全く異なる分野の活動も含め、すべてを新鮮に捉え、前向きに訓練に取り組んだそうです。また、地域で活動するNPO法人の方針や活動を知り、様々な活動を行う中で、社会課題における因果関係について整理ができていないことに気づき、課題解決に向け考える際に因果関係を意識するようになった、と語っていました。これも訓練を通じ学んだことのひとつだそうです。

訓練を終えた倉島さんは、地元の新潟県に戻り、協力隊としての派遣を待ちながら仕事をするとのこと。今後の活動にも、「おやま~る」で学んだ企画力と取材力を活かしていきたい、と、想いを語りました。

訓練で得たことを活かし活躍を!応援しています!

おそうじ企画に参加した皆さんと

今回参加した倉島さんは、訓練開始当初、派遣再開が決まらず、将来への不安や迷いを持っていましたが、訓練を通じ、「おやま~る」の結城史隆代表をはじめ、スタッフや関係団体の皆さんからの温かいエールを受け、「自分に出来ること」を常に考え、前向きに訓練に取り組めたようです。訓練を経て「「自分に出来ること」に加え「自分にも出来たこと」に気づくことができた」と話す倉島さん。今後の活躍が楽しみです!訓練お疲れ様でした!
引き続き「おやま~る」では、隊員候補生の松村響さん(エルサルバドル/体育)が2021年11月から訓練に参加しています。松村さんの訓練の様子もご紹介予定です。お楽しみに!!