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【報告】第3回国際理解教育実践セミナー「SDGs授業設計講座&JICA筑波 教師国内研修 授業実践報告会」をオンラインで開催しました!(2月5日)

2022年3月15日

JICA筑波は、国際理解教育/開発教育の実践に関心のある方々を対象に、国際理解教育/開発教育の基本や考え方を知り、授業で実践する方法や手法等を学ぶセミナー「国際理解教育実践セミナー」を開催しています。今回は2部構成で実施。第1部はこども国連環境推進会議 事務局長の井澤友郭さんを講師に迎え、SDGs(持続可能な開発目標)授業設計講座を実施しました。第2部では、JICA筑波 教師国内研修の参加者による授業実践報告を行いました。新型コロナウイルスの感染が拡大している状況をふまえ、オンライン形式で開催したセミナーには、SDGs学習や国際理解教育/開発教育に関心のある教員の皆さんを中心に27人が参加しました。セミナー当日の様子をご紹介します。

第1部 SDGs授業設計講座~SDGsを自分ゴト化するプログラムの作り方とは?~

井澤講師のオンライン講義の様子

今回のセミナーでは、SDGsのような地球規模課題を「世界ゴト」ではなく、「自分ゴト」にする授業設計や問いの立て方について学びました。セミナー前半では、主語や修飾語をつけて問いを立てることの効果を、演習を通して体験しました。学習目標の設定方法についてはKSA(Knowledge:知識、Skill:技術、Attitude:態度・価値観)に分けて設定する考え方を学びました。

セミナーの後半には、前半の内容をふまえ、SDGsの授業をグループで設計するワークを実施。参加者は、井澤講師からのSDGsの捉え方や問いの立て方についてのインプットを得て、新たな視点で、授業設計についてのディスカッションができたようです。このワークの中では、JICA教材「つながる世界と日本」を紹介し、授業の中での活用方法についても検討しました。

今回のセミナーは、授業設計をするうえでの「問い」の重要性を、参加者に改めて考えさせる機会となりました。「学んで終わりではなく、この学びから新たなアクションを起こすことが重要だ」というメッセージが井澤講師からあり、第1部は終了しました。

第2部 JICA筑波 教師国内研修 授業実践報告会

クイズを交えながらSDGsの授業をする西村先生

第2部では、今年度のJICA筑波教師国内研修の参加者が授業実践報告を行いました。冒頭、研修に参加した山﨑さくら先生(栃木県立足利工業高等学校)から、教師国内研修の概要について発表がありました。授業実践の報告は、茨城県から参加した西村凌先生(つくば市立並木小学校)と岡﨑倫子先生(つくば国際大学高等学校)が行いました。

西村先生は、子ども達が身近なところからSDGsを考えられるよう、クイズを交えた授業を実践しました。また、子ども達が「SDGsの達成のために何ができるか」をより具体的に考えられるよう、西村先生が教師国内研修で訪問した資源循環型社会の実現を目指す有限会社ドンカメ(栃木県)やブラジル人学校のエスコーラ・オプション(茨城県)の取り組みを紹介しました。

岡﨑先生のワールドキャラバンを活用した授業実践の様子

岡﨑先生は、生徒が主体的に異文化やSDGsを学べるようアイスブレークを取り入れたり、周りの先生の協力を得ながら国際理解教育の授業を進めてきました。ワールドキャラバン(国際理解教育講師等派遣事業: 茨城県国際交流協会実施)を活用した授業では、多くの外国人講師と交流することで、生徒の価値観や考え方に変化が見られたそうです。岡﨑先生は、来年度には、教師国内研修で訪問したブラジル人学校とも交流授業を計画しています。

参加者の感想

・問いの立て方など、SDGsの授業以外にも様々な場面に応用できる手法を学ぶことができた。また、オンラインでのワークショップの運営方法についても、学ぶことが多かった。
・問いを作り出すコツを詳しく知ることができた。主語や焦点を設定するという手軽な工夫で、授業の質がぐんと高まるような気がした。これまでの実践の問いを振り返り、より効果的な問いを作りたいと思う。
・授業実践を通して、生徒に自らテーマを設定させ調べ学習に繋げることが多いのですが、最終的に「自分たちにできること」を考えさせると「ボランティアをする」「寄付をする」で終わってしまい、それ以外の答えを導き出させる難しさを感じていました。今回の研修で自分の行動を見える化するというヒントをもらい、早速実践してみようと思いました。

本セミナーにご参加いただいた先生方が、学校でSDGsを取り上げていただくこと、セミナーでの学びをご活用いただくことを楽しみにしています!