SDGsをテーマにした2020年度国際理解教育実践セミナー(第2回、第3回)実施報告

2021年5月20日

伊沢先生のオンライン講義の様子

 JICA筑波では、国際理解教育/開発教育の実践に関心のある方々を対象に、国際理解教育実践セミナーを開催しています。セミナーでは、国際理解教育/開発教育の基本や考え方を知ると共に、授業の実践方法を学びます。2020年度は、全体テーマをSDGs(持続可能な開発目標)とし、計3回のセミナーをオンラインで開催しました(第1回は2020年10月18日開催、報告は末尾リンク参照)。
 今回は、第2回(11月23日)と第3回(12月20日)の様子を報告します。セミナーには、学校関係者のほか、海外協力隊経験者、国際理解教育に関心のある学生の方などが参加しました(参加者:第2回17名、第3回15名)。どちらの回も、第1回と同様に、特定非営利活動法人 NIED・国際理解教育センター代表の伊沢令子先生がファシリテーターを担当しました。

第2回(11月23日開催):テーマ「SDGsと地域の多文化共生と人権のための教育」

環境問題について派生図を作成するワークの様子

 第2回は、多文化共生と人権について、参加型で学ぶ方法を取り上げました。
 セミナーでは、その国の人になったつもりで、自国のいいところや課題を紹介するロールプレイや、多様性がなくなった社会(世界)で起こることやその影響について派生図を使って考えるワークなどを行いました。
 また、ロールプレイで「(日本で)アパートを探す外国人」と「宅建業者」の会話を行い、外国人というだけで差別を受ける日本の現状を学びました。
 セミナーの最後には、「私たちから始まる多文化共生」として、多文化共生社会を実現するために参加者一人ひとりができることを考えました。

【第2回参加者の感想】

 外国人住民が増え、地域で多文化共生の問題が出てきていると思うので、このような参加型の手法を用いながら、地域で学び合う場ができればよいなと思いました。
 さまざまな問題は、自分に関係がないと思わず、まずは「自分だったらどうか」と考えることが大切ということを学びました。
 異文化に対してプラスの面から触れることは、相手と対等に関わっていく上でとても大切なことだと思いました。地域に住む外国人の住みづらさは、周りの日本人が作っているものだと感じました。多文化共生のまちづくりのために自分にできること、教員として子どもたちへ発信できることを考えていきたいと思います。

第3回(12月20日開催):テーマ「SDGsと地球の持続可能性と環境のための教育」

 第3回は、「環境」を取り上げました。
 セミナーでは、気候変動などの環境問題が解決されない場合に起こる影響について、派生図を使って考えるワークや、江戸時代の社会と現代社会を対比させながら、循環型社会を実現するために必要なものをリスト化するワークなどを行いました。また、環境問題の解決策を考えるために、因果関係図を作成し、原因を探求しました。最後に、セミナーでの気づきをどのような行動につなげていきたいかを参加者間で共有しました。

【第3回参加者の感想 】

 非常にマクロで一見難しすぎるテーマを、オンラインかつ参加型でファシリテーションしていただき、ファシリテーションの仕方から何からすごく参考になりました。
 様々な資料の提供、各セッションでの他参加者との意見交換で、SDGsと環境のための教育について理解が深まりました。
 全3回参加させていただいて、とても得るものがありました。SDGsを参加型のワークショップで学ぶという手法はとても参考になりました。SDGsについて、幅広く様々な方の意見を聞けたので、自分の考えも広がり、そして深まりました。

 参加者の皆さん、活発な意見交換などでオンラインセミナーを盛り上げていただきありがとうございました!
 2021年度は、引き続き、新学習指導要領で掲げられている『持続可能な社会の創り手』にも関係するSDGsをテーマにした研修を行います(詳細はJICA筑波HP及びSNSでお知らせ予定です)。多くの方のご参加をお待ちしています!