所長挨拶

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独立行政法人国際協力機構横浜国際センター(JICA横浜)は、2002年、国際都市横浜の地に、地域に根差したセンターとして、地域と途上国とを結び、ともに発展することを目指して誕生しました。以来、みなとみらい地区の発展とともに、地元の皆様に育まれながら、途上国からの研修員の受入れ、中小企業の海外展開の支援、自治体や大学、団体の方々の発意に基づいた技術協力の実施、ボランティアの募集や帰国後の相談などの幅広い活動を展開しています。

今日、日本は先進国として途上国を支援していますが、かつては援助を受ける立場であり、途上国から先進国へと発展を遂げた経験を有する国です。その過程では、生活改善から産業技術まであらゆる分野での革新を進めるとともに、都市化や公害など発展に伴う負の要素を克服し、さらには災害や感染症など経済的発展のみでは解決できない課題にも果敢に取り組んできました。日本の発展は、中央だけでなく、日本全国の自治体、大学、企業、団体や市民ひとりひとりの力によって成し遂げられたものであり、地域に根付いたこれら経験や技術は、現在では日本の途上国支援における貴重な源となっています。
JICA横浜は担当地域である横浜市、川崎市、相模原市をはじめとする神奈川県内や山梨県内に存在する魅力的で多様性に富んだ経験や技術を活かし、皆様のご協力を得ながら、世界の課題解決に向けて取り組んでいます。同時に、これらの活動を通じて、直接的・間接的に地元に貢献できるよう推進しています。

また、JICA横浜は、かつて多くの日本人が横浜港から世界へと移住した経緯から、日系社会支援の拠点として、移住者や日系社会の人々と日本との絆を強めることを目指した活動を展開しています。
日本人の海外移住は約150年の歴史があり、全世界の319万人以上といわれる海外移住者や日系人は、経済や政治、学術など多くの分野において各国の発展に寄与するとともに、日本と各在住国との「架け橋」として各国との関係の緊密化に貢献しています。JICA横浜では、日系社会の青少年や技術研修員を対象とした研修を実施するとともに、日系社会に派遣するボランティアの訓練を行うなど、移住者や日系社会への支援を行っています。また、併設する海外移住資料館においては、移住や日系社会に関する資料の収集・保管・展示や専門的な調査研究を行っています。

日本と途上国との協力関係は、日本から途上国への一方的な援助にとどまらず、日本もまた国際協力を通じて途上国から学び、ともに発展する双方向のものであるものと考えます。私どもは、横浜市や神奈川県、山梨県の市民の皆様や自治体・企業・大学・NGOなどの諸団体の皆様とともに、地域と途上国双方のさらなる発展と友好関係の強化のための協力を進めていく所存です。

JICA横浜国際センター所長
朝熊由美子