【実施報告】国際理解教育/開発教育 教員セミナー(基礎編)

2020年8月21日

8月2日、「国際理解教育/開発教育 教員セミナー(基礎編)」を開催しました。今年度は、初のオンライン配信にて実施し、神奈川県・山梨県内のみならず、全国の様々な地域の小中高等学校、大学の先生や学生など、約100名にご参加いただきました。本セミナーは、国際理解教育/開発教育の指導者としての技術・能力の向上を図ることや参加者同士のネットワークの構築をねらいとして、毎年行われているものです。

【画像】国際理解教育/開発教育の基礎概念や基本手法を学ぶレクチャー、昨年度の教師海外研修者加者からの実践紹介といったプログラムを、Zoomを利用してオンライン配信いたしました。また、セミナー後は希望者による情報交換会を実施しました。

国際理解教育/開発教育の基本を学ぶ

①開発途上国の現状とJICAの取り組み
 まず、JICA横浜 市民参加協力課 中野貴之職員より、自身の青年海外協力隊での体験を交えながら、開発途上国の現状を伝える内容と国際理解教育/開発教育に関するJICAの取り組みについてお話しました。授業でも活用できるような簡単なクイズも交え、参加者も国際理解教育の授業を受けているような体験をしながら、世界や開発途上国の現状について学ぶことができる内容でした。
 また、現状をふまえ、コロナ禍でのJICAの対応、自宅学習ができるコンテンツなども紹介しました。

【画像】②国際理解教育/開発教育の目標・方法・動き 
 次に、かながわ開発教育センター(K-DEC)代表の山西優二氏(早稲田大学教授)より、「国際理解教育/開発教育の目標・方法・動き」というタイトルで、国際理解教育/開発教育の基礎概念について丁寧にお話しいただきました。国際理解教育/開発教育の歴史、実践者として熱く語られる姿勢に参加者全員が引き込まれていました。コロナ禍だからこそ、人間関係づくりを大切にしていただきたい、と参加者へメッセージを伝えられました。
 参加者からは、「国際理解教育の目標構造やアプローチのお話を聞くことができました。意義を明確にして実践に取り組んでいきたいです。」「改めて基礎を確認することができました。」など、今後実践に取り組まれる参加者にとって、これからの実践で大事なポイントとなる基礎的な部分を学ぶことできたとの声が多く寄せられました。

③教師海外研修(ブラジル)実践授業紹介
 2019年度JICA横浜教師海外研修へ参加された神奈川県立神奈川総合産業高等学校の菊川正太氏より、昨年度のJICA横浜教師海外研修の様子、参加者が作成したワークショップ(注1)の紹介をしていただきました。
 また、授業実践報告として、勤務校の実態や目標設定にあわせ、ワークショップを取り入れた様子を、写真やワークシートを交えて具体的に伝えていただきました。

参加者同士の情報交換

 セミナー後、ご希望の皆さまに参加いただき、情報交換会を実施しました。セミナーでの気づきやモヤモヤ(もっと知りたい・深めたい)を、Zoomのブレイクアウトルーム機能を利用し、少人数のグループに分かれて共有しました。参加した方々の学校での取り組み、地域での取り組みを紹介し合う場面もあり、校種や職種を超えた交流から刺激を得ていただけたようでした。

 国際理解教育/開発教育 教員セミナー(基礎編)では初めてのオンラインでの開催となりましたが、「歴史背景等の基礎と、実践のどちらも聞くことができました」「オンラインセミナーは初めてでしたが、学びが多く、また参加したいと思いました」などの感想をいただきました。

ご参加された皆さんが、本セミナーでの学びや気づきを活かし、今後の授業等で実践されることを期待しています。
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今後も国際理解教育/開発教育教員セミナーの開催を予定しています。
皆さまのご参加をお待ちしております。