【民間連携事業】横浜市内企業の株式会社オオスミがベトナム現地法人設立へ!

2021年1月12日

株式会社オオスミ(横浜市)はベトナム国にて2013年度の案件化調査(注1)、2014年度の普及・実証・ビジネス化事業(注2)を実施した後に、2020年10月に現地法人を設立しました。今回、本事業に関われた株式会社オオスミの平尾実技師長にお話を伺いました。

第三者の立場から、客観的な省エネ診断によるコスト削減を提案

ベトナムでの簡易省エネ診断の様子

【株式会社オオスミのサービスについて】
 当社のサービスは、簡易なモニタリング機器を活用して対象施設のエネルギー管理状況を把握し、解析・評価することにより課題を抽出し、実効的な方策を提示する簡易省エネ診断技術です。「迅速かつ安価な診断が可能」な点に競合優位性があり、高精度法と比較した場合、コスト、日数ともに約1/3程度となることから、企業が抱える人材や予算等の問題を解決することが可能です。また商材メーカーではない第三者の立場から、客観的な診断を行い、できるだけ初期投資のかからない対策提案を行い、且つイニシャルコストがいつ回収できるかのシミュレーションを提示しますので、企業のコスト削減に貢献できます。

横浜市とダナン市との技術協力に関する都市間連携によりスタート

横浜市とダナン市による調印式の様子

【JICAの制度に応募した経緯はどのようなものですか?】
 弊社の所在地である横浜市が2013年4月にベトナム国のダナン市と「持続的な都市発展に向けた技術協力に関する覚書」を交わしました。そのような背景から横浜市はダナン市に対して持続的開発、教育、科学、経済、環境及び投資に関する技術協力を実施することを表明し、弊社も横浜市からの支援を受けてダナン市における事業展開を検討しておりました。その際にJICAの中小企業海外展開支援事業を知り、応募に至りました。
 本事業ではベトナム国内企業20社を対象に簡易省エネ診断を実施し、具体的な対策提案策の策定をおこないました。また、カウンターパートであるダナン市商工局が提案技術を活用できるように「省エネ診断実施マニュアル」を策定、ダナン市側に配布し、省エネ診断の有用性の認知向上を図りました。

ベトナム国ダナン市に現地法人 Osumi Vietnam Co., Ltd.を設立

ダナン市の浄水場に設置された高効率のポンプ

【本事業を実施して良かったことはありますか?】
 本事業終了後に駐在員事務所を設立し、現地の日系企業の省エネ診断業務を受注しております。なお、案件化調査において簡易省エネ診断を行ったダナン市の浄水場では、日本の支援である二国間クレジットメカニズム(JCM)を活用したポンプの高効率化を提案しました。その後、横浜市とダナン市の都市間連携によるJCM実現可能性調査をIGES、みずほ情報総研、弊社で実施し、その翌年にはJCM設備補助事業が実現し、省エネルギーとCO2削減が進んでいます。そして、2020年10月1日にはベトナム国ダナン市に現地法人 Osumi Vietnam Co., Ltd.を設立。ベトナムの製造業等に対して、省エネ診断、対策提案、対策工事、対策実施前後のモニタリング、省エネ効果の見える化などのトータルサービスを提供しています。今後はホーチミン、ハノイへも展開、最終的にはASEAN地域全体への展開を目指していきたいと考えています。

 ダナン市で省エネ診断・対策等を展開している(株)オオスミの今後ますますの活躍が期待されます。