【研修報告】日アフリカ・ビジネスウーマン交流セミナーを実施しました

2022年4月18日

【画像】2022年1月~3月に、ウガンダ、エチオピア、ガーナ、ザンビア、スーダン、ソマリア、南スーダン、モーリシャスの女性企業家を各方面から支援する行政官と女性企業家を対象にオンライン研修を実施しました。

本研修は、アフリカにおける女性のビジネス・起業を推進することを目的としています。これは1993年から実施されてきたTICAD Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)でも提唱されている「持続性の高いアフリカ各国の民間セクターを通じた経済発展」に沿うものです。2015年と2019年には横浜市がホストとしてTICADを開催したこともあり、本研修では横浜市をはじめとした日本国内における取り組みの現状や課題、知見・教訓を、参加者の研修員と共有しています。また、国際的な潮流や動向も踏まえ、ジェンダー平等と女性のエンパワメントの視点に立ったビジネスや経営戦略の重要性について理解を深める内容としています。

今回の研修では新たな取り組みとして、クラウドファンディングの実践紹介を取り入れました。従来、ビジネスに関わる女性の、ビジネスの実践や拡大に必要な能力が強化されても、ビジネスの「血液」である資金が無いと画期的なアイディアも実践が難しいというジレンマがありました。そこで今年度は、クラウドファンディングを各研修員が実際に体験できるプログラムを取り入れました。クラウドファンディングはソーシャルファンディングとも呼ばれ、世界のあらゆる人々や組織から財源や協力を得ることができ、社会課題の解決に貢献するビジネス実践の場として期待が持たれています。

参加した研修員からは、「クラウドファンディングが特定のビジネスや課題、プロジェクトに制限されるものではなく、すべての人が使える手段であることが理解できた」「クラウドファンディングを始めるきっかけとなった。アカウントもでき、リンクを友人と共有することができた」と率直なコメントが多く出ました。また、実際に本研修で研修員が立ち上げたクラウドファンディングは現在も実施されており、目標額まで到達しなくても期間中に集まった全額がプロジェクトに活かされる点が特徴となっています。

こうした実践を通じて各研修員は手応えを得た様子で、「必要な内外のサポートがあれば、女性起業家は持続的に活動できるポテンシャルがあると確信した。」「男性と対等にできる自信がついた」「ビジネスを成長させる手段について多くを学んだ。大きな一歩を踏む出す準備が出来た。」といった感想が述べられました。本研修が目指す「アフリカ女性のリーダーシップおよび起業・マネジメントの能力強化」に新たなアプローチで貢献できたものと思います。

本研修は、横浜市関係者の皆様をはじめ、株式会社アイ・シー・ネット、ヨコハマSDGsデザインセンター、株式会社奇兵隊(クラウドファンディング講師)、女性社会起業家のビジネス紹介を頂いたケニアのAlphajiri 株式会社、NPO農スクール、株式会社えと菜園など、多くの皆様のご協力により実現しました。

本年8月にはTICAD8がチュニジアで開催されます。本研修はこれからも、横浜の地からアフリカの開発に資することを目指して実施していきます。