【実施報告】2022年度 教師国内研修(第4回)

2022年9月8日

JICA横浜では2022年度、国内で全7回の研修とフィールドワークを行う教師国内研修を実施しています。本研修では「SDGs誰一人取り残さない 多文化共生~日本人移民・日系人をテーマに~」として、教室での多文化共生について考え、学校、社会、そして世界の多文化共生への理解を深め、研修での経験を活かした探求学習の活動案の作成を目指します。今回は6名(小学校3名、中学校1名、高校2名)が参加し、8月14日(日)にJICA横浜にて第4回研修を行いました。

問いかけの練習

チェックインアクティビティを兼ねて、「最近の自分を学校にあるものに例えると?」を参加者が発表しました。その後、隣の人に「とっておきの質問」をしてもらいました。ただ発表を聞くだけではなくて、問いかけによって、話が深まり、想定以上のものを引き出せたりすることを実感したようです。

日本人移民の歴史と日系人の現在

講義中の様子

海外移住資料館を見学

海外日系人協会の小嶋茂氏に、講義をいただきました。海外に移住した方々は現地での文化づくりに参加し、貢献していることや、「日系人」には社会的カテゴリーとしての面と、個人の概念の2つの面があり、定義は一様ではないことなどを学びました。

講義の後は、海外移住資料館を見学しました。参加者からは、「日本人移民の方々は自身をどのようにとらえているのか」など、アイデンティティに関する質問が多くあがっていました。

探究活動案の作成に向けて

午後は、たっぷりと時間を使い、午前の学びを活かしながら、探究活動案の作成準備をしました。参加者が、児童生徒に伝えたいこと、一緒に考えたいことを出し合い、簡単な参加型アクティビティの案も検討しました。食に関すること、アイデンティティに関することなど、様々なアイディアが出され、今後が楽しみです。

第4回研修を終えて

参加者が設定した当日の「Myゴール」

1日の最後に、同じ週に予定されているフィールドワークの準備として、インタビュー内容を検討し合いました。「良い質問を考えることで、引き出せる情報の質も変わってくる」と、話合いにも熱が入っていたようです。インプットとアウトプットの両方を忙しく行った1日でしたが、今回も充実した研修になったようです。

教師国内研修とは

教師国内研修は、これまでJICA横浜にて実施していた、教師海外研修の代替研修として2020年度から継続的に実施している研修です。国際理解教育や開発教育に熱心に取り組んでいる小・中・高の教員の皆さんを対象に、国内での全7回の研修とフィールドワーク等を通して、教室にある多文化共生から世界の多文化共生を考え、これからの多文化共生社会、持続可能な社会の実現を目指し、世界、国内、地域の問題を自分事として捉えて、まずは教室から実践できる次代を担う子どもたちを育成することを目的として実施しています。

教師国内研修の全体スケジュール(予定)

【画像】研修スケジュールは右記の通りです。2022年7月~2023年3月の中で、全7回と国内フィールドワークの実施を予定しています。
(注)研修プログラムはあくまでも現段階の予定で、変更する場合があります。
(注)新型コロナウイルスの感染拡大状況等により、オンライン実施になる場合もあります。