【実施報告】2022年度 教師国内研修(フィールドワーク)

2022年9月8日

JICA横浜では2022年度、国内で全7回の研修とフィールドワークを行う教師国内研修を実施しています。本研修では「SDGs誰一人取り残さない 多文化共生~日本人移民・日系人をテーマに~」として、教室での多文化共生について考え、学校、社会、そして世界の多文化共生への理解を深め、研修での経験を活かした探求学習の活動案の作成を目指します。今回は6名(小学校3名、中学校1名、高校2名)が参加し、これからの約8か月間共に研修を実施していきます。8月16日(火)にフィールドワークを行いました。

保育園訪問

園長に熱心に質問をする参加者たち

園児の5割以上が外国にルーツを持っているという横浜市立北上飯田保育園を訪問しました。子どもや保護者との接し方、先生方の愛情あふれる対応などをお聞きしました。園児や保護者が言う「大丈夫」は本当に大丈夫なのか、常に「その子にとってはどうなのか」を気にかけ、一人一人を大事にする保育をされている姿を見て、多文化共生のヒントを得ることができました。

日本人移民の歴史と日系人の現在

Mahalohの店長に話を伺った後に記念撮影

海外日系人協会の小嶋茂氏に、講義をいただきました。海外に移住した方々は現地での文化づくりに参加し、貢献していることや、「日系人」には社会的カテゴリーとしての面と、個人の概念の2つの面があり、定義は一様ではないことなどを学びました。

講義の後は、海外移住資料館を見学しました。参加者からは、「日本人移民の方々は自身をどのようにとらえているのか」など、アイデンティティに関する質問が多くあがっていました。

学びの整理

参加者が抱いた疑問を疑問形で出し合いました

JICA横浜に戻ってから、ふりかえりとして情報の整理、印象に残ったことば、モヤモヤしたことなどを付箋で出し合いました。これらの付箋が今後のワークショップ作成に大いに役立つことでしょう。今後の研修では、子どもたちに「多文化共生」について考えるきっかけづくりを目指します。

第4回研修を終えて

1日の最後に、同じ週に予定されているフィールドワークの準備として、インタビュー内容を検討し合いました。「良い質問を考えることで、引き出せる情報の質も変わってくる」と、話合いにも熱が入っていたようです。インプットとアウトプットの両方を忙しく行った1日でしたが、今回も充実した研修になったようです。

教師国内研修とは

教師国内研修は、これまでJICA横浜にて実施していた、教師海外研修の代替研修として2020年度から継続的に実施している研修です。国際理解教育や開発教育に熱心に取り組んでいる小・中・高の教員の皆さんを対象に、国内での全7回の研修とフィールドワーク等を通して、教室にある多文化共生から世界の多文化共生を考え、これからの多文化共生社会、持続可能な社会の実現を目指し、世界、国内、地域の問題を自分事として捉えて、まずは教室から実践できる次代を担う子どもたちを育成することを目的として実施しています。

教師国内研修の全体スケジュール(予定)

【画像】研修スケジュールは右記の通りです。2022年7月~2023年3月の中で、全7回と国内フィールドワークの実施を予定しています。
(注)研修プログラムはあくまでも現段階の予定で、変更する場合があります。
(注)新型コロナウイルスの感染拡大状況等により、オンライン実施になる場合もあります。