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海外投融資の制度の概要

1.融資

融資の主な条件は以下の通りです。

融資割合 : 原則として総事業費の70%を上限とする。特に必要と認められる場合には80%(案件の特性等に応じて必要性は個別に検討)
償還期間 : 原則として20年以内(最長25年)うち据置は原則として5年以内(最長10年)
金利体系 : 機構による調達金利を基準とし、借入人の信用力等を勘案の上、償還期間を含め政府開発援助の要件となるよう設定。
通貨 : 円建て、ドル建て、ユーロ建て、現地通貨建て(タイバーツ、フィリピンペソ等通貨スワップ市場取引が可能な通貨)。
担保及び保証 : 必要に応じて、機構が適格と認める物的担保又は保証を徴求する。
スキーム : プロジェクトファイナンス、コーポレートローン、バンクローン(サステナビリティ・リンク・ローンを含む)。

2.信用保証

信用保証の主な条件は以下の通りです。

スキーム : 開発途上地域の地場銀行等(地域開発金融機関を含む。)が地場中小企業等に対して行う融資ポートフォリオ(原則新規のポートフォリオを対象とする。)を部分保証するもの。
保証割合 : 原則、保証決定時における開発事業の費用総額の50%(協調保証では協調先と合計で50%)を上限とする。

3.債券取得

債券取得の主な条件は以下の通りです。

取得割合:原則、社債等の取得決定時における発行計画額の70%を上限とする。
取得条件: 市場取引において合理的に設定されると考えられる水準でJICAの取得条件(金利等)を設定する 。
通貨:融資と同様
スキーム:原則としてESGラベル付債券

4.出資

出資の主な条件は以下の通りです。

4-1.事業会社への出資
出資方法 : 原則として現地企業等への直接出資。出資比率は25%以下、かつ、最大株主の出資割合を超えない場合、かつ無限責任は取らない場合とする。優先株を含む種類株等も可能。
出資期間・退出方針 : 事業の特性に応じて個々に出資前に退出方針を設定し、中核企業及び出資先企業と合意。出資期間は個別案件の退出方針において規定。

4-2.ファンドを通じた支援
海外投融資においては、個別事業への直接的な支援に加え、ファンドを通じた支援も実施可能です。ファンドを通じた支援に係る考え方は以下の通りです。

・比較的小規模な複数の案件を対象とすることによって、より高い開発効果が得られるものについて、ファンドを通じた支援を行います。具体的には、中堅・中小企業、BOP等の社会開発事業、水や再生エネルギーを含むインフラ事業、気候変動や災害対策への取組、国営企業改革への取組等が対象として考えられます。ファンドへの支援は、短中期的にはリスクが高く、民間企業や金融機関だけでは成立が困難であるが、機構等が支援することにより民間資金の呼び込み効果が得られるもの、あるいは、機構等によるファンドへの支援を通じてビジネスプラクティスを構築し、将来的には、民間資金がその役割を担うことが期待されるものが対象となります。
・ 加えて、中小企業を始めとする日系企業等とのビジネスマッチングが図られる等、日本の技術・ノウハウが活かされている点も重要な要素の一つです。
・ 当面は、ファンド運営に実績・知見のあるファンドを通じて支援を行うこととなります。また、MDBsやDFIs、民間投資家等との協調案件を積極的に検討していきます