事業評価外部有識者委員会(2014年8月)の概要

1.日時

2014年8月28日(木)14時00分から16時00分

2.場所

独立行政法人国際協力機構(JICA)本部 会議室

3.出席者

浅沼委員長、朽木委員長代理、澤田委員、高梨委員、中田委員、野坂委員、本間委員、山谷委員、横尾委員およびJICA関係者(植澤理事、評価部、その他関係部門)

4.議事概要

委員会の開催にあたり、冒頭、JICA植澤理事より挨拶。その後、浅沼委員長により議事進行。

(1)戦略的な評価活用のための事後評価の効率化および効果向上について

  • プログラム単位や同種事業をまとめて評価するという効率化のための案は正しい方向性であるが、評価対象事業をどう選別するか、そのプロセスが戦略の根幹に関わる。
  • 現在、10億円以上のプロジェクトについては全案件外部評価対象であり、選択的ではない。将来的に選択的なカバレッジにしていかなければ評価部のリソース、予算がもたないと考える。その場合に重要なのは、評価対象をどう選択するかであり、論理的で筋の通った説明が重要。
  • 技術協力プロジェクトの中間レビューの代わりに定期的なモニタリングシート、終了時評価に代わり事業完了報告書を導入し、DAC5項目に基づく評価を含め、事業を実施するコンサルタントや専門家が作成することになったが、アカウンタビリティ確保の点で留意すべき。
  • 技術協力プロジェクトについては、予算の制約もあり最近は3年間で終わる案件がほとんどであり、持続性で課題があるものが多い。3年間という期間ではガイドラインやマニュアルを作成するなどアウトプット中心となってしまい、成果を見るアウトカムの視点が欠けているのではないか。このような点も含め、評価結果を職員に伝えるだけでなく、パートナーであるコンサルタントや専門家とも共有し、次の案件に活かしていくことが重要。

(2)2014年度の事業評価計画の進捗状況

  • 事業評価に関する内部の人材育成について、在外職員のレベルアップが重要である。中長期的な課題とも関連し、工程表を作成し、人材育成をスピードアップする体制作りに取り組んで頂きたい。
  • 形式的なアカウンタビリティでなく、事業からの学びと説明責任という評価の二つの目的を切り離さずにつなぐ、すなわち、組織として学んでいるものを外部にどうやって打ち出していくかを検討して頂きたい。
  • 評価結果の活用の取り組みは大変良い。一人一人が経験すると同時に経験を持った人から話を聞くことが重要。オープンなワークショップ形式で評価結果を学ぶのは大変良く、参加してほしいのは、若くて経験も相談できる相手も少ない在外事務所のスタッフである。彼らとのネットワークができれば、参考となるプロジェクトについて誰かに質問することも可能になり、教訓の活用も具体化される。
  • インパクト評価のテクニカルな部分の改善について、きめ細やかな検討をしていることはよいが、ポスト2015もある中、広い視点をもって、最も効果的なものを実施していくことが必要。なぜある特定の案件をインパクト評価の対象にするのかについて、「選球眼」が重要になってくる。
  • 「評価カルチャー」という話があるが、常に評価は業務のジュニア・パートナーであり、評価が一番役に立つのは、実際の業務とインタラクトするときである。そのインタラクションの中から弁証法的にアイデアが生まれる。ガイドラインよりは手本が重要で、よいレポートの例を執務要領に掲載するとよい。

以上